MSI QD-有機EL ゲーミングモニター MAG 321UP QD-OLED | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

今月のAmazonプレミアムセールで、遂に有機ELゲーミングモニターを購入した。それが表題のMSIの321UPである。

 

現在、有機ELモニターは、どこのメーカーでも平均20万円が相場である。最近は15万円以下も出てきてはいるが、メーカー的にはまだ無名の所が多く、また有機ELではあっても量子ドットでないと本領が発揮出来ないので、多少は高くても量子ドットを買った方が長い目で見れば良いかと思う。

 

有機EL自体はすでに目新しい技術ではないものの、ゲーミングモニター界隈ではその価格の高さにより、まだ主流と言う訳でもない。ただ、私自身で言えばすでに有機ELテレビ自体は購入済みだし、またスマホでは完全に主流なので、第一印象としてはああ、有機ELの画質だな、と言う感じであった。

 

また、当然輝度は液晶よりも落ちるし、またそれまでメインだったASUSのPG32UQの画質が非常に素晴らしいものだったので、正直有機ELが絶対、と言う訳でもないかと思う。なので、今となっては完全に好みで選んでどうぞ、と言う感じなのだが、それでも当然有機ELならではのメリットも当然ある。

 

一番は、何といっても黒の表現だ。最近は、INNOCNのモニターなどでHDR1000以上のものが主流となってきているものの、いくらローカルディミングが1152以上であっても有機EL同等の黒の表現は不可能だ。この辺りはグラディウスなど、背景が宇宙のレトロゲームなどでも超えられない壁が存在し、これらのゲームを完全に堪能したいのであれば有機EL以外はないと言っていい。

 

そしてもちろん、0.03と言う圧倒的な応答速度も大きな売りである。さすがに60FPS程度ではブラウン管にはかなわないものの、165HzならUFOテストをすれば液晶との違いは一目瞭然である。さすがにBenQのDyAC使用時に及ばないとは言え、それでも黒挿入なしでこの残像感の無さは圧倒的だ。IPSはもちろん、TNでも黒挿入なしでこのクリアさは不可能である。

 

また、有機ELのモニターは技術的にノングレアは不可能なのかは知らないが、グレア液晶となっている。名目上はハーフグレアと言う事になっているのだが、電源オフの状態では明らかにグレアである。これが割と購入をためらう要因ともなっていたのであるが、不思議な事に使用中はほとんどグレア感を感じる事はない。ゲームもブラウジングも目の負担は大きくはなく、とても見やすい。

 

難点と言えば、まずこちらのモデルは廉価版なので、通常版に比べると機能が削られている事。まずUSB-Bが使えないので、ブラウザから画質調整が行えない。リフレッシュレートも、165Hzが限度である。4Kで200以上のFPSを出すとなると、相当ハイエンドのグラボが必要、かつ高FPSが要求されるFPSプレイヤーは32インチなど使用するはずもないという事を考えたら、165Hzでも実質十分である。

 

しかし、試しにフォルツァホライズン4を起動させた所、あっさり200近いFPSが出ていたので、多少残念な結果となってしまった。ただ、個人的にはPS5やSwitch2などのコンソール中心であり、240Hzはオーバースペックなので、5万円以上の価格差を考えたら十分である。

 

そして、MSIモニターの特徴として、画質調整項目がASUSやBenQと比べて劣る事である。その代わりにリーズナブルな事が多いのであるが、個人的にはかなりマイナスだったので、その点からMSIを避けていたのは確かだった。 ただ、有機ELモニターに関してはかなり簡単な調整で好みの画質に出来たので、その点は問題なしと言えた。

 

個人的に20万を出すのは厳しいが、有機ELで14万を下回ればかなりのコスパと言えるだろう。絶対にお勧めと言われると悩む所ではあるものの、圧倒的な黒表現と残像感のなさを求めるのであれば、現時点では有機ELを選ぶ以外はない。