発売から2年近く経つにも関わらず、未だに比類なきコスパと性能で一部界隈に大評判のこのモニター、購入してから3か月経ったのでまた改めて書いてみようかと思う。
まず、私はメインのPCモニターとして、同一デスクにメインとしてASUSのPG32UQと、PG38UQを使用しており、その横にL字型に設置してある別のデスクにこちらの32M2Vを置いている。最初の頃は3モニターで使用していたのであるが、私の環境的には3台同時と言う必然性は薄く、なにかと手間な事もあって現在はDPケーブルは外してコンソール専用として使用している。なのでPCモニターとしての評価は今回はなし。
言わずもがな大評判の画質であるが、正直私が最初に見た時はそれほど奇麗とは思えなかった。その理由としては、やはりメインのASUSのPG32UQの画質が素晴らしすぎる事。発売自体は2021年末なのだが、こちらは今年4月購入と言う事もあって2023年のロットなので、その分画質や安定性も優れていると思われるので、全ての機体がそうなのかは分からない。しかし、幸運にも私が現在使用しているロットは非常に奇麗であり、文句なしにこれまでのモニターで最高と呼べる画質だ。
なので、当然この32M2Vもそれと同等の画質を期待したのであるが、正直地味に映った。画質調整自体は非常に細かく出来るので、なんとかそれに近い画質を再現するために奮闘したのであるが、なかなかそうはいかず。しかし、最近になってようやくそれに近づける事が出来た。私は色温度クールが好みなのであるが、独特なOSDと言う事もあってその存在に気付かなかったのである。で、今回ようやくクールに設定し、彩度を若干高めにし、そしてシャドウバランスを暗めに設定すると、遂にPG32UQと同等の画質を再現する事が出来た。
これで、SDRのみのゲームもようやく最高峰レベルの画質でプレイ出来るようになった。量子ドットの威力は凄まじく、赤の再現性を始めとして本当に鮮やかとしか言いようがない美しさだ。もちろん、HDR1000は言わずもがな。これに関しては、HDR600のPG32UQと比べると歴然とした差がある。
また、「ちもろぐ」氏の測定によると、60Hzでの入力遅延が1フレームを超えてしまうという結果がなされていた。これが長期間購入をためらっていた最大の要因でもあったのだが、以前触れたように実際はいずれのコンソールもほぼ皆無レベル、極めて遅延に敏感な自分であってもほぼ体感出来ないレベルであると言っていい。これは初期ロットと現行で改良されたのか否かは不明であるが、少なくとも2024年現在Amazonで購入出来る商品であるならば心配無用と言っていいだろう。
innocnの別ブランドであるタイタンアーミーから、2304分割の後継機種的な商品が昨今発売されたのだが、不具合ばかりが目立って報告されており、また画質自体も32M2Vと大きく差があるようではないみたいなので、個人的には無理してそちらを選ぶよりも、ゲーマー間ではある程度の信頼を得ているinnocnのこちら、もしくは中国ですでに発表済みとされているPROを待つのが良いかも知れない。いずれにしろ、10万円台で買える4Kゲーミングモニターとしては未だに他の追随を許さないと言っていいだろう。OSDの使いにくさなどは、画質のクオリティを見れば些細な問題だ。