オホーツクに消ゆ・リメイク版 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

37年の時を超えてリメイクされたNintendo Switch版オホーツクに消ゆをプレイした。傑作と呼ばれるファミコン版以来の家庭用移植であったので、かなり楽しみにしていた作品だったのだが、正直言うと期待しすぎた面もあったかも知れない。

 

そもそも、これはオホーツクのみに言える事ではないのであるが、これまでリメイクされてきた作品の中で、本家以上に楽しめた作品があったかどうかである。ファミコン作品のリメイクが始まったのは、私の記憶にある限りではSFC版のマリオコレクション辺りからであり、その年末にはドラゴンクエストI・IIのリリースもあった。

 

なので、リメイクの歴史そのものはそれなりに長いのであるが、前者は未購入だったのでともかく、後者に関しては結局子供の頃に覚えた刺激以上のものは得る事はなかった。リメイク自体が若干やっつけ仕事だった事はあるのと、当然先の展開が分かってしまう事などもあるとは思うのだが、グラフィックやサウンドがちょっと進化した程度ではオリジナルの興奮は超えられないのだな、と気づかされたものだった。

 

まあ、前述のようにリメイクとしては微妙な作りでもあったので、旧エニックスはその反省からかドラクエIIIで素晴らしいリメイクを作り上げたのだけれども、やはり今でもドラクエIIIで思い出すのはファミコン版の方だ。ただ、その後に発売されたPS版のドラクエIVは、ファミコン版の不満点も改善されたのと、内蔵音源ながらオーケストラを非常に再現していた事もあって、かなり優良なリメイクのひとつであったかと思う。PS2が出ていながらPSソフトだったので、若干古めかしい感じこそあったものの、このリメイクは非常に良かった。

 

そして、このオホーツクであるが、現時点で1987年の話が終わった所なので、全部は終わっていない。しかし、プレイしていくうちに、やはりオホーツクはあのファミコンでここまで出来るのか、と言う美しい一枚絵に口パク、そしてファミコンの内蔵音源を最大限に活かしまくったあの素晴らしいBGMがあってこそなのだな、と改めて思ったものだった。と言うのも、リメイクが発表された頃、わざわざファミコン版を引っ張り出していちからプレイしたのである。

 

もう何十回もプレイした作品なのに、結局最後まで飽きずにプレイしてしまった。今プレイすると、メッセージが一文字ずつの表示かつビープ音が五月蠅く、手を止めないとBGMが堪能出来ない、とかいう不満点もあったりはするのであるが、やはりこの名作オホーツクすらも、ファミコン当時に受けた衝撃には勝てなかったのだな、と思ってしまった。

 

まあ、もちろんこれは個人的な感想なので、今作で初めてオホーツクをプレイする人がどう思うかは分からない。思い出補正抜きでプレイ出来る人であればきっと楽しめるとは思うのだが、それでも正直BGMだけは不満だった。もちろん、ファミコン版はPSG音源と言う、非常にゲーム的な音色かつ耳に残る音源なので、一概に比較は出来ないのであるが、それでも名曲とされる知床五湖編や、後半のメインBGMである追跡、そして夕張炭鉱でのBGMのアレンジは正直かなり微妙だったと思う。