アーケードスティックのお話・その50 Victrix FS PRO for PS4/PS5 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

9月に発売予定だったVictrix PRO FSのPS5対応版のパープルカラーが、突然前倒しでAmazonと楽天で発売されていたので、ようやく購入する事が出来た。正直、以前も触れたようにガワはほぼ同じものであり、実際の使用感覚もほぼ同一と言ってよい。前作でもPS5でスト6はプレイする事が出来たし、円安の影響もあって16000円ほど値上げされた事もあって、正直な所それを所有していれば別に買うこともないのであるが、実際に見るとパープルがあまりにも美しく、黒一色だった前作よりも所有欲が満たされると言っていい。価格の高さから買うのを躊躇している人も多いとは思うが、実際に目の当たりにすればきっと買ってよかったと満足する事に違いないかと思う。

 


そして、このVictrixのガワの最大の特徴として、天面が継ぎ目なく、なだらかな弧を描いて下に下がっている事だろう。これは現時点ではVictrixのみが採用している特長であり、天面に腕を置いた際にとても自然にフィットするのだ。どのアケコンにも下に下がっている個所はあるとは言え、そのほとんどに継ぎ目が存在するため、当然全ての人に合うとは限らない。この点に関しては、Victrixだけが持つ圧倒的なアドバンテージだろう。

 


しかし、実際の使用感となると、正直現時点ではObsidian2にはかなわないと言える。こちらは初代の弱点が完全に改良されており、前作の剛性感と静穏性を完全に上回っている。これまで、それに関して言えば今でも初代Pantheraにかなうものはない、と思っていたが、ようやくそれに肩を並べる製品が出たという感じだった。そして、もちろん手を置いた時のフィット感も素晴らしい。ワンタッチ開閉機構がないのは確かにマイナスかも知れないが、このガワの素晴らしさを体験したらそれは微々たるものだと感じるだろう。価格は初代の初期価格よりも2万円ほども高いが、それでもこのガワを一度体験してしまったら他のアケコンには戻れないはずである。

 

なので、そこを持ち出されるとVictrixは分が悪い。所有欲は確かに満たされるのだが、これはObsidian2でも十分満たされるはずである。完全に黒一色なのと、また光る部分が一切ないので、そのあたりは確かに地味目に見えるかもしれないが、それでも現物を目の当たりにすると惚れ惚れするような美しさだ。なので、Victrixの項でこういうのもなんであるのだが、現時点ではObsidian2の方が圧倒的にお勧めだ。

 

前述したように、レバー周りやボタンの感覚、静穏性は初代と全く同じだ。静穏性は高いとは言えないし、Victrixならではのレバー周りの感触や音も変わらない。レバーとボタンの間は、完全ビュウリックス準拠のObsidian2とは異なり、Pantheraのように若干離れているので、人によってはこちらの方がやりやすいかと思う。L3R3が同時に使えないのは欠点と言わざるを得ないが、光るギミックは単純にかっこいいし、それに何度も言うようにパープルが実に美しく、箱から取り出した時などは思わず感嘆してしまったものだった。

 

また、このアケコン最大の特徴であるレバー取り外し機構であるが、正直感触が微妙だったので、前作と今回いずれもすぐに付属のノーマルのものに換装してしまったので、それについては評価外としている。この際、カバーがLink2のしか付属していなかったので、必要であれば別途買う必要がある。



日本では白の方が先行で発売されたので、そっちを先に買ってしまおうかな、とも思ったのであるが、待ってパープルを選んだのは正解だった。実用的にはObsidian2があれば十分なのであるが、それでもこの美しさは必見であり、欠点をカバーして余りあるものだ。