マレーシア旅行記・その22 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

朝10時10分の電車だったので、20分ほど前にはもう改札を通って地下のホームへと向かったのだが、そのタイミングで腹痛を起こしてしまう。これはヤバいと思ったのであるが、トイレは構内にはなく外まで出なければならない。日本のようにその辺に駅員がいる訳でもないし、通った改札を戻れるのかもわからない。

 



もちろん、聞けば良いのであるが、常識的に考えて難しいと思った私は、そのまま正露丸を飲んであとはもう信じるしかなかった。そうこうしている間に電車が到着、本当にやばかったら途中下車すればいいだろう、と思ったのだが、今度は速度があまりにも遅い。あんまり遅いので、スマホで測ったところなんと40キロほどしか出ていない。これは確かに10キロでも30分かかる訳である。

 

しかも、車内はクソ寒い。南国では車内や建物内ではガンガン冷やすのがおもてなしらしいので、何か1枚羽織るものを持っておくのが常識だ。しかし、私が日本から持ってきたのは冬物の上着であり、マレーシアでは暑すぎ、かつ重く持ち運ぶのをやめていたのだ。それでなおかつ腹痛なのだから、本当に辛かったものだ。

 

一応、なんとか駅まで着き、そしてKL屈指の観光地だけあって有料のトイレもあったので、万が一の場合はそこに行けばいい、とようやく安心感が出てきたものだ。そして歩いて5分ほど、入り口へと着いた。あまりにも有名で巨大な銅像を見上げ、そしてメインの272段の階段へと向かっていく。しかし、足場が狭い、かつ急勾配なだけあって想像の100倍は辛かった。かつ体調不良なのだから尚更である。

 



なんとか洞窟まで辿り着くと、そこはまるでファイナルファンタジーの世界のような神秘的な洞窟が広がっていった。まあ、洞窟というには大きすぎる感はあるのだが、それまででこのような場所には入った事がないはずなので、それはそれは美しい光景に見惚れたものである。さらに、その周辺には野生の猿が何匹もいた。猿自体は動物園や日光で見た事があったかも知れないが、野生とはいうのは初めてである。その行動が面白くて、しばらくずっと眺めていたものだった。

 



ずっと飽きないぐらいだったが、体調を考えるとそうもいかず、すぐに引き上げざるを得なかった。登るのも怖かったが、降りるのはそれ以上に慎重だ。なんとか怪我もなく無事に降りると、土産などには目もくれずトイレを探していったが、無料の方は少し使うには厳しい感じだったので、そのまま駅へと向かっていった。

 

ちょうど20分後ぐらいの電車があったのだが、行きの遅さにうんざりした自分は初めてGrabを使用しようとした。iPhoneの方にインストールしていたのだが、なんと電波を拾ってくれない。ローミングだとまま起こり得たので、仕方なくXiaomiの方にインストールしたのであるが、両端末でログインしたせいか、iPhone側のクレカが消去されてしまっていた。

 

Xiaomi側で同じものを登録しようとしても何故か弾かれてしまったので、そうこうしているうちに電車の出発時刻となってしまい、仕方なく寒さに耐えつつ乗って帰る事にしていった。無事、KLセントラル、ホテルまで着くと、まだ13時頃だったので十分休んで行き、起きた頃には十分なほど体調が回復していた。