KLIAエクスプレスは、その名の通り空港からノンストップの種別も存在しているのだが、コロナ禍の中では運行していないようであった。まあ、それでも33分ほどで着くので無事に夜9時前には着いたのであるが、やはり改札でもQRコードをかざさなければならなかった。すでにくちゃくちゃになっていたが、どうにか読み込んでくれ、ようやくKLセントラル駅へと到着したのである。
しかし、真っ先に思った事と言えば、主要駅とは思えないほどの照明の暗さだった。節電をしていた夏の日本よりも遥かに暗く、それだけでもまた不安に駆られてしまったものだ。まあ、あとはホテルへ向かうだけの段階まできたのであるが、どこの出口から出れば全く分からなかった。一応、レビューによればモノレール駅横を降りて、とあるのでそこを目指したのであるが、その肝心のモノレール駅自体が全く見つからない。
今回は初めてバックパックを背負っていったので、スーツケースよりも機動性はあったのだが、それでも9キロ弱だったので重い。その状態で探し回るのはかなりキツかったのだが、どの出口を出ても全くそれらしき場所は見つからなかった。当然、Googleマップを開いたのであるが、GPSの精度も微妙なため自分がどこに居るのか把握しづらかった。
どの出口から出ても見当たらなかった結果、もう一度構内でマップとにらめっこをした。その結果、ようやくモノレール駅は構内から離れており、NU SENTRALというモールの間を抜けないと辿り着けない、という事を理解した。そんなのありか、と思ったものだが、後で「地球の歩き方」を見直すとこの周辺のマップもしっかり載っていたので、明らかに自分のリサーチ不足に過ぎなかった。しかし、それでも初見にはかなり難易度が高く思えたものだった。
無事にモールを出てモノレール駅が見えると、その横にはファミリーマートがあった。台北ではどこにでも存在するファミマであるが、マレーシアにもあるとは思えなかったので嬉しくなったものだ。そして、その先のエスカレーターを降り、道を越えていくとようやくCITI HOTELなる看板を見つけ、遂にチェックインを果たしたのである。
無事にカードキーを貰って4F、日本で言えば5Fの部屋へと向かったのであるが、なんとエレベーターが一基しかなく、しかもちょっと裏口のような所から入っていく。当然、それもボロく、香港の重慶大厦を思わせるほど嫌な予感もしたのであるが、部屋に入った瞬間それはまた的中してしまった。部屋のデコレーションが一切なく、タンスと机もろもろ置いてあるだけの実に殺風景な部屋だったのだ。
掛け布団も、写真で見たのとは異なりなんの模様もなく、台北以来まともなホテルに泊まれると期待した私のそれはもろくも崩れ去ってしまった。当然、写真でチェックはしていたとは言え、掛け布団の模様がないだけでもここまで殺風景に見えるとは。当然、香港の部屋よりかは遥かに広く、机も椅子もあるのでPCを使うには便利であったが、それだけである。「こんなとこで10日間も過ごすのか…。」と、またトランクスが精神と時の部屋に入った時のような気持ちとなってしまったのは言うまでもない。