アーケードゲームを愛す・その18 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

1991年の11月頃から、筐体を2台使用したストIIをちょくちょく見かけるようになっていった。どこで初めて見かけたのかは全く覚えていないが、恥ずかしながら私と友人はそれが何なのか意味が良く分からなかったのである。しばらくして、相模大野のあるゲーセンでプレイした際、ようやくそれが「対戦台」である事に気付いた。その辺りから、多少人気に陰りが見えていたストII人気がまた爆発したのである。

 

その頃、さすがにもうほとんどの人がベガまで行けるようになっていったので、それと比例してインカムも落ちるようになっていった。しかし、対戦台であれば必ずどちらかが3分にワンコイン消費してくれる訳であり、ゲーセンとしてはそれは超効率的、もう笑いが止まらない状態である。という訳で、その頃から世の中のストIIのほとんどが対戦台となっていった。

 

ここから今に至る対戦台の歴史が始まっていった訳であるが、当然勝利した側は延々とワンコインで長く遊べるのに対し、負けた方は一瞬でワンコインを消費してしまう。となると、当然勝ちに固執するプレイとなってしまう訳であり、そのあたりでかなりいざこざもあったはずである。という訳で、初代ストIIはガイルとダルシムが最強であるため、必然的にそれらの使用プレイヤーが増えていった。

 

しかし、私と友人はいずれもそれらの使い手ではなく、さらにリュウ・ケン、ザンギエフ、そして本田などはいずれもダイヤグラム下位に位置するキャラであった。当然まともに対戦台でプレイしても負けが込むだけなので、必然的に友人同士とのプレイばかりが中心となっていったものである。また、初代はザンギエフやダルシムで明確なはめ技が可能であったのだが、それなりにテクニックが必要、かつザンギなどははめに持っていかないと勝ち目がない、という認識であったため、「その状態に持っていかれた方が悪い」とのことでこの時点ではまだトラブルなどはなかったかと思う。

 

そして12月、スーパープレイと対戦を主に収録した「ストリートファイターII 場外乱闘編」なるビデオが新たに発売された。早速私も買ったものだが、当時の主なテクニックをほとんど見れる事が出来るため、非常に見応えのある作品に仕上がっていたものである。

 

そして、家庭用の話となるが、その頃はコナミのPCE参入がちょっとしたニュースとなっており、早速私もグラディウスと沙羅曼蛇を購入したものである。いずれもアーケード版とは程遠い出来であったのだが、実はその時点においてもアーケード版の沙羅曼蛇は未プレイのままだった。こちらは専用筐体で発売された事もあってなのか、1991年時点では全くと言っていいほど見かける事はなかったのだ。

 

なので、PCE版も別物とは言え、それでもファミコン版よりかはアーケード版準拠な出来であった。そんな事もあり、オリジナルをプレイしたくして仕方なかったものだったが、そんな時にゲーメストで連載していた「レゲーの魂」にて、向ヶ丘遊園駅前のホワイトハウスというゲーセンにそれが置いてあるという情報が掲載されたのである。