ストリートファイターIIの存在自体は、発売直後に同じ部活の人間から教えてもらっていた。「6ボタンもある」というのが強調されていたが、正直その時点ではグラIIIすらプレイする前であったので、興味もなくほとんど無関心だった。その後、ペンギンハウスでグラIIIをプレイした時に、その左斜め正面にやたらとボイスが派手なゲームがあった。それが、ストリートファイターIIである。もちろん、常に人が付いている状態であり、人気があるとは一目で分かったが、その時点ではグラIII以外眼中になかった事もあってギャラリーにつくこともなかった。
もちろん、その後もプレイする事はなかったのであるが、前回に触れたよう、7月上旬に小田急相模原の忠実屋のゲームコーナーに立ち寄った際、エアロシティ筐体に内蔵されているストIIが2台とも空いていたので、そこで初めてプレイする機会を得たのだ。もちろん、ほとんど何も分からなかったので、とりあえずリュウを選択し、ダルシムと闘ってもちろんあっさりと負けたのであるが、あまりの面白さに大変な衝撃を受けたものである。ゲームでこれほどの衝撃を受けたのは、初代ドラゴンクエストをプレイした瞬間以来であったかも知れない。
一気にストIIの虜になったのであるが、当然どこに行っても全く台が開かず、またテトリスのように何台も入荷されるほどのゲームでもなかったので、普通のゲーセンでプレイする事はしばらくなかった。しかし、その直前ぐらいに、当時座間駅前商店街に存在した駄菓子屋にミニ筐体ながら設置されており、ここが我々の拠点となっていったのである。
ストIIに関しては以前触れていると思うので、詳しい事は省くが、このおかげでビッグコアマークIIIが抜けられず、そこで止まっていたグラIIIのプレイをとうとうやめてしまったのだ。あれほど熱中していたにも関わらず、であるが、正直、当時の気持ちからして、ストIIの面白さを前にしたら、あんな苦しい思いをしてゲームをする必要なんかない、という感じだったのだ。
そしてその頃、友人のお勧めもあり本厚木のゲーセンへと通うようになった。最初に訪れたのは、現在ファミリーマート本厚木駅西店の場所にあったゲームファンタジアである。町田に続いて2店目であったが、こちらは3回建てと豪華であり、1階が最新ゲーム、2階がメダル、そして3階がビデオゲームという構成だった。そして、初来店の時にはまだグラIIIが置いてあったのが、実はペンギンハウスの画質とメンテがいまひとつであり、この時初めて綺麗な画面と良いコンパネでプレイ出来たのである。
そこともうひとつメインにしていたのは、現在鳥貴族が入店しているビルの2階にあったゲーセンである。ここはビデオゲームオンリーであったが、かなり面積が広く、そして何と言ってもこの当時はまだグラディウスI・IIが置いてあったのだ。という訳で、この時にその2つを初めてプレイしたのである。当然、1速でプレイしていったのだが、グラIIIで大分慣れたせいもあってかグラIIはなんと初プレイで4面まで行ってしまった。
結局、1速ではデスの弾が避けられずにそこで終わってしまったのだが、この辺りから家庭用よりも、ゲーセンでプレイした方がゲームの上達が早い事を実感したのである。難易度の高さに加え、1プレイ毎にお金がかかるという緊張感がそうさせているのであるが、この辺りで自分がアーケードゲーマーとして覚醒したのを自覚していったのかも知れない。