アーケードゲームを愛す・その10 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

前回触れた本厚木2FのゲーセンにおいてグラIIを初プレイしたとなれば、当然次は初代グラディウスである。ファミコン版でしかプレイした事のなかった私にとって、オリジナルのアーケード版はまさに待望であった。しかし、こちらはグラIIと比べた際に敵弾がかなり速く感じ、正直ロクに進むことの出来ないままゲームオーバーとなってしまった。その頃は同じゲームを連続してプレイするほどのやる気がなかったので、その日はそれっきりで終わってしまった。

 

そして、おそらくその頃だとは思うのだが、最寄りの本屋でそれまで見た事のないレベルの超豪華なアーケードゲーム本を目にした。その本こそ、ゲーメスト2冊目の増刊となる「ザ・ベストゲーム」であった。「史上最強のビデオゲーム本!!」と表紙にあるように、本当に素晴らしい出来栄えだった。定価が1980円と、当時としてはかなり高額な部類と言えたが、正直それも納得である。迷わず手にした私は、それまでほとんど知ることのなかった「本物のアーケード版」の画像と記事を心行くまで堪能したのである。

 

そしてさらに、何より大きかったのはその本によって初めて「ゲーメスト」なる雑誌の存在を知ったのであった。当時は金曜日と月末がゲーム雑誌の発売日の定番であり、その辺には必ず本屋へと足を運んでいったのであるが、それまで一度たりともゲーメストなる雑誌を目にした事はなかったのである。当時は今とは比較にならないほど本屋へと向かう頻度が高かったので、これは不思議としか思えないのであるが、とにかく一度たりとも見た事はなかった。しかし、ようやくこれにより知る事となったので、この下旬に発売の9月号から遂にゲーメストを買い始めるようになったのだ。

 

当時はストII人気がまだまだ爆発していた頃であったが、すでにCPU戦の攻略は終了、トレンドパターンやオールパーフェクト、そしてアッパー昇龍拳やスクリューはめなどの紹介と、すでに中級者以上向けの紹介へとシフトしていた。つまり、自分にとってはすでに途方もない世界のものだった訳である。当然、全く役に立たない物ばかりであったのだが、ゲーメストでは親切な事にバックナンバーの購入が可能であった。という訳で、直近のストII攻略掲載号から少しずつ注文していったのである。

 

そしてさらに、ゲーメストでは雑誌としては珍しく通販コーナー、通称「読者サービス部」なるものも存在していた。当時、ゲームミュージックはある程度市場を確立していたのであるが、ゲームビデオに至ってはそうもいかなかった。セルビデオ自体の市場が小さいのに、かつビデオゲームというニッチなジャンルを考えればそれも当然である。と言う訳で、そんなゲーマーのニーズに応えるべく、ゲーメストが読者コーナーを受け持っていたのだ。

 

その頃、ゲーマーの間で圧倒的な人気を誇っていたのが、グラディウスIIIとパロディウスだ!のノーミス1周プレイビデオである。もちろん前者が欲しくて仕方がなかったのだが、後者に関しては本厚木ミロードのお店で見つける事が出来たので、思わず衝動買いしてしまった。となると、当然グラIIIも、という訳で、そこで予約させてもらったのだ。しかし、その後小田急町田百貨店へと行くと、なんと2つとも置いてあった。もちろん買ったのだが、もちろん予約分は入荷後キャンセルとさせて頂いた。当時はなんとも思っていなかったのだが、今思うとせっかく取り寄せてくれたミロード本厚木店には申し訳ない気持ちでいっぱいである。