私が定期的にゲームをプレイするようになったのは当然任天堂ファミリーコンピュータからであるが、原体験というのはゲームウォッチである。しかし、それはいわゆるテレビゲームの範疇には入らないと思われるので、事実上の原体験というのはアーケードゲームなのである。
前にも触れたが、私が初めてプレイしビデオゲームはアイレム社の「ムーンパトロール」である。年はファミコン発売と同じである1983年の事であるが、一応ファミコン発売以前にも家庭用ビデオゲーム機なるものは存在はしていたものの、実質当時は「ビデオゲーム」と言えば「アーケードゲーム」のみを指していた時代だった。つまり、私はまだ世の中にファミコン、家庭用ゲーム機という言葉や存在自体浸透していない時代からすでにゲームをしていたということになるのだ。
そう考えると恐ろしいほど時が経ってしまったと思わざるを得ないのであるが、そういう意味もあって長い間「アーケードゲームこそがビデオゲームの本道」というのが絶対的な思想だったと言える。という訳で、家庭用のシリーズも大体書き尽くしてきてしまったので、ここでいよいよアーケードゲームについて語っていこうと思う。
しかし、1980年代は「スペースインベーダー」が、PTAの力などによって駆逐された事もあって、まだまだ「ゲームセンター=不良の溜まり場」というのが絶対的な認識だった。つまり、小学生などとても近寄れる場所ではなかったのである。それでも、少なからずそんな時代であってもアーケード版をプレイする機会はあるにはあった。どうしたかと言うと、デパートやホテル、そして駄菓子屋などのゲームコーナーである。
前述の「ムーンパトロール」も、当時良くあった屋上プレイランドのゲームコーナーだった。確か数台のテーブル筐体が並んでいた記憶があるが、何故かこれだけを執拗にプレイしていったものである。当然、ワンプレイ100円であるが、当時の小学生にとって100円と言うのはかなりの大金である。当然、すぐに終わってもしまうので、その度に家に戻り同居していた祖母にせびったものだった。
ただ、それに罪悪感を抱いたかどうかは忘れたが、実際にプレイしたのはその日こっきりとなってしまった。当時の座間市は今ほどお店の数も多くはなく、当然ゲームセンターなどもあるはずもない。一応、駅前などに行けばある事はあったのであるが、私の実家は繁華街からはかなり離れているので、そんな機会はまるでなかったものである。という訳で、それを最後にしばらくゲームからは遠ざかる事となってしまった。