そんなネオジオの盛り上がりを示すかのように、1993年の夏にはフジテレビ系にて餓狼伝説2のアニメーションまで放映された。実は前年末に初代をベースとしたアニメも放映されており、ジョー東の声を佐竹雅昭が演じているという事が話題になったものだったが、あいにく私は見逃してしまい、今なお一度も見た事はない。その代わり、この2はゲーメストの告知で知ったのかどうかは覚えてはいないが、ちゃんとビデオにも録画して見る事が出来た。
この2作目においては、何故か佐竹雅昭は外されていたものの、初代に引き続き主人公であるテリーの声を少年隊の錦織一清氏が演じており、これが非常にハマっていた。もちろん、スタッフロールを見るまで気付かなかったものの、そのあまりのハマりように普通に声優が演じているものだと思っていた。因みに、後の「もののけ姫」あたりから話題集めもあるのか、プロの声優以外が演じる事が多くなっていったが、当時はまだ稀であり、これも特に話題にはならなかったかと思う。
格闘シーンは案外単調だった記憶があるが、ストーリーもなかなか良く、全体的にかなり満足感が高かった。そして、忘れてはならない出来事として、合間になんと餓狼伝説SPECIALのCMが流された事である。確かアーケードゲームはCMが禁止か自粛のいずれかは不明だが、まず放映される事はなかったので、これは非常に驚き、そして興奮したものである。まあ、ネオジオは一応家庭用でもあるので、その辺りでOKだったのかも知れないが、私の記憶にある限りアーケードゲームのCMは、これと翌年の「スーパーストリートファイターIIX」のみだった。ストIIは完全にアーケードゲームだったのだから、これはこの時以上に驚いたものだった。
と言う訳で、2から1年足らずで早くもSPECIALの発売となった。実際に発売されたのは9月頃だったのだが、ほとんど同じタイミングでカプコンが「スーパーストリートファイターII」をリリースしてきたのである。当然、こちらも大注目であったのだが、新キャラ以外に目新しいフィーチャーもなく、さらにターボに慣れ切ったゲーマーたちはそのスピードの遅さに不満を抱き、発売後は一気に盛り下がっていってしまった。
それとは対照的に、餓狼SPCEIALは2以上の大成功を収め、私もここでようやく餓狼にのめり込んでいったものである。例に漏れずCPUが非常に強く、ゲーメストの攻略がないと歯が立たないレベルであったのだが、当然ゲーメストも大プッシュし、また11月頃には増刊も出たおかげで、なんとかリョウ・サカザキまでたどり着けたものである。因みにこの時に愛用していたキャラは、もちろんテリーと、そしてSPECIALで最強の座を誇ったキムである。
ストIIはプレイヤーキャラがある程度分散していたが、ネオジオのゲームは美形キャラに人気が集中する傾向であり、特に餓狼においてはテリー人気が圧倒的だった。見た目、コスチューム、そして技いずれも格好良く、のちのKOFで京が出るまではSNKの顔的キャラとなったのは言うまでもない。
そして、この頃になってようやく後追いながらも餓狼の初代と2をプレイしていった。2は最初の8人はパターンでハメられるのであるが、後半4人は必殺技の出辛さもあり難易度が高く、特にテリーだと一人目のビリーは大変相性が悪く、どんなに上手くなってもパターンが悪いと負けてしまう事も多かった。なので、正直SPECIALよりもクリア率は悪かったように思える。
必殺技偏重の初代はさらに技が出辛いとは言え、コツさえ覚えれば大体の技は出す事が出来た。パターンも簡単であり、こちらは割とすぐにギースを倒す事が出来た。ただ、今アケアカでプレイすると何故かクリア出来ないので、単純に腕が落ちたのかも知れない。