ゲームボーイを愛す・その6 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

そして1990年12月、前作からちょうど1年後に「SaGa2」がリリース。こちらも予約はしていなかったが、無事に近所のお店で買う事が出来た。秘宝を77個集めるというのが話題となったものだったが、割と一日で相当数集めた記憶がある。ゲームのテンポはかなり良く、さくさく進む事が出来たものだが、やはりと言うか「アポロン」で詰まったものだ。一応、本当の最終ボスは存在するのであるが、アポロンのインパクトがあまりにも強く、ほとんどの人はSaGa2と言えばそいつだろう。

 

そして、それからしばらくまた間が空き、次に買ったのは1991年4月の「パロディウスだ!」である。MSX版を元祖とするこのシリーズは、前年4月にオリジナルのアーケード版が発売、その後ファミコンとX68000に移植されたので、このゲームボーイ版がそれに続いていった。しかし、当時のスペックでは当然完全再現など出来るはずもなく、実質的な移植はX68K版だけであり、ファミコン版とこのゲームボーイ版はほぼオリジナルゲームとして発売された。

 

しかし、このゲームボーイ版はアーケード版をベースとしながら非常にアレンジが上手く行き、ゲームボーイの歴史の中でも屈指の横スクロールシューティングであったと思う。TACOX氏も指摘していたように、モノクロである以上オリジナルの華やかさが皆無なのはパロディウスらしくはなかったかも知れないが、グラフィック、BGMのいずれも極めてレベルが高く、さすがコナミとうならざるを得ないほどの出来だったのだ。ビックバイパーのレーザーも、線画を利用して長いレーザーを実現しているし、色数以外では完全にファミコン版を上回っていた。

 

難点を上げれば、視認性を上げるためか弾がやたらとでかく、撃ち返し弾まで発生するハードモードが異常に難しい事ぐらいだろう。しかし、それはあくまでマニア向けなので、ノーマルまでであれば万人が楽しめる事が出来る。この発売日、ちょうど友人と遊んでおり一緒にプレイしていったものだったが、あまりの面白さにひたすら熱中していったものである。当然、オリジナルのアーケード版にも興味を抱いた私は、そこからそれもプレイしていったのは言うまでもない。

 

8月には、待望のネメシスの続編である「ネメシスII」も発売。こちらも前作よりか遊びやすくなっており、パワーアップもアーケードを髣髴とさせるものが加わったが、完全なオリジナル続編のIIは、アーケードや家庭用よりもストーリー重視のMSXテイストが強くなっており、またBGMもいまひとつだった事もあって正直微妙な出来だった。

 

そして、10月にはようやく「ウィザードリィ外伝I・女王の受難」が発売。こちらはあまり入荷状況が良くなかったのか、近所のお店では買う事が出来ず、当時駅の近くにあった個人商店で買ったものである。こちらは日本人が作った最初の完全オリジナルウィザードリィであったのだが、やはり日本人が作ったという事もあってかぎちぎちにイベントが詰められており、さらに迷宮の難易度や謎解きもかなり高く、さらに敵に直接攻撃が当たり辛いというバグまで存在したため、正直あまり熱中する事は出来なかった。

 

当然、攻略本も買ったものの、アスキーから発売されたそれは今一つ出来が良くなく、私を最後までプレイさせるには及ばなかった。と言う訳で、実際に最後までプレイしたのは、JICC出版局から発売されていた「ウィザードリィ外伝Iのすべて」を読んでからである。すでにベニー松山氏はファミコン版IIIで退いていたが、氏のテイストを受け継いだその本の出来は非常に良く、おかげで最後までクリア出来たものである。