ゲームボーイを愛す・その1 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

1988年の秋から翌年冬にかけて、私はミニ四駆にひたすら夢中となっていたので、ゲームの情報にはかなり疎くなっていた。そんな訳で、ゲームボーイの存在は発売直後まで知らず、その頃から再び読みだしたファミマガで初めてその存在を知ったものである。確か巻末でその特集が組まれており、すでにスクウェアがRPGを開発中、そして任天堂からはテトリスの発売も予定されている、などがすでに報道されていた。

 

そして、ゲームボーイのローンチとしては4本ぐらい発売された記憶があるが、目玉はもちろん「スーパーマリオランド」である。逆に言えばそれ以外はめぼしいソフトもなく、急いで買う必要などは全くなかったのであるが、何故か私は一気に関心を持ち、なんと発売して数日後に早くも買ってしまったのだ。ファミコンは発売から2年後、PCEは半年後であったので、ゲームボーイは私の人生で最も早く購入したハードと言う事になる。つまり、2020年に、XboxSeriesXを発売日の翌日にAmazonから購入するまで、なんとこの初代ゲームボーイが史上最速で買ったハードだったのだ。

 

何故いきなり欲しくなった理由と言うのははっきりとは覚えてはいないのだが、当時はまだ自分専用のテレビがなかった事もあって、「いつでもどこでも」プレイ出来るゲームボーイに大変魅力を感じたのではないかと思う。当時の家庭はまだ一世帯に一台、というのが普通だったので、自分専用のテレビを持つなどは到底考えられない事だった。なので、このゲームボーイさえあれば親の目を盗んで好き放題ゲームが出来るという訳である。まさに子供にとっては夢のハードであったのだ。

 

しかし、当時のゲームボーイのスペックなどはファミコンにすら遠く及ばないものだった。何と言ってもモノクロ4階調である。華やかさなどは及ぶべくもない。しかも、残像感が尋常ではなく、今の基準の応答速度で測れば一体いくつなのだろうか、と言った次元である。当然、延々と横スクロールするゲームなどは苦手な事この上なかったのであるが、第一弾が「マリオ」と言う事で、ほとんどのユーザーはその洗礼を受けたものだった。

 

正直かなり目にダメージを受けたのは事実であるが、そんな事をものともせずにプレイしていったものである。理由はもちろん、この「マリオランド」がローンチであるにも関わらず素晴らしい出来であった他にならない。ただ、それでもこれだけではすぐに飽きてしまったので、別に「ベースボール」も買っていった。しかし、こちらはファミスタに似ていながらもかなり今一つな出来であり、残像感を意識しすぎてしまったせいかゲームとしては破綻していた。

 

そんなゲームボーイの発売当時は静かなものであったが、2ヵ月後に初期GB最大のキラーソフトが発売される事となる。もちろん、あの「テトリス」である。