すっかり語るのを忘れてしまっていたが、前年にSFC版ストIIが発売された少しあとぐらい、SFC版の「パロディウスだ!」も発売されていた。アーケード版から2年以上経っており、正直旬はかなり過ぎていたのであるが、当時のグラディウスシリーズの中では一般受けも良く、家庭用ユーザーにも知名度が高かったことからも発売に踏み切ったのであろう。
さすがにSFC版グラIIIから1年半以上過ぎている事もあって完成度はかなり高く、特に処理落ちがやちらつきがかなり軽減されているのが素晴らしかった。特に、それまでの家庭用では交互点滅が当たり前だったビックバイパーのレーザーが、完全なアーケード仕様になっているのには驚かされたものだった。それでいてチラつきも全く見られなかったので、これは一体どうやっているんだ、と驚いたものである。のち、ニコニコ動画における有志による解析によると、なんとレーザーをBGで表示していたとの事である。
さすがにあれだけ自在に動くオブジェクトがBGとは想像もつかず、この動画を見た時は目から鱗だったものだ。さすがに多くのゲーマーを感心させたコナミの技術力と言える。それ以外でも、細かい移植のミスもあるとは言え、非常にアーケード版に近い出来であり、それまでの家庭用では最も移植度が高かったと言えた。しかし、それを全て台無しにしてしまったのがオリジナル面である11面の存在である。せっかくここまでアーケード版を再現していたにも関わらず、最後の最後で余計な事をしてくれた、としか言いようのないものだった。
当時の家庭用では珍しくはないとはいえ、それはスペック的にどうしても完全移植は不可能であったから、その分だけ家庭用としてのおまけをつけてあげよう、と言う事である。しかし、アーケードのファンとしては、完全移植に近い移植が可能であるなら、可能な限りアーケード版そのままの仕様でプレイしたいのだ。と言う訳で、年末のPCE版グラディウスIIもそうだったが、これほどの完成度を誇っているのであればオリジナル面などは邪魔以外の何物でもないのだ。さらに、パロディウスは1周10面と長く、しかもそれとは別にハイスコアタック的なおまけ面も別にあったのだから尚更であった。
そしてSFCのシューティングで他に買ったものと言えば、92年のベストシューティング賞を受賞した「ソニックウイングス」があった。当然、横画面仕様となっているが、こちらもシューティングが苦手なSFCとは思えないほど出来が良く、ちらつきも処理落ちも目立たなかったため、期待以上の出来だった。ただ、前述のように横画面のため、最終面などはアーケード版のパターンも通用しない部分も多く、敵弾も速いままだったので、なかなか難しかった。また、何かアーケード版とはBGMが違うな、と思っていたが、案の定全て差し替えられていた。