PCEのグラIIは非常に出来が良かったが、それでもやはり一番手軽に遊べると言えばSFC版のストIIであり、ファイプロだった。グラIIも1周してしまうとそれ以上はなかなかモチベーションも続かないので、年が明けてもプレイしていたのはやはり前述のSFCソフトだった。そして、その頃にはゲーメストの広告に掲載されていた、シグマのアケコンを遂に購入したのだ。
もちろん、元々はコントロールボックス用のものであるが、ケーブルを付け替える事によって家庭用の全機種にも使用出来た。コンパネの6ボタンもほぼストII準拠となっていたので、とうとうストIIをアーケード感覚でプレイする事が出来るようになったのである。当時はアーケードゲーマーとしてのプライドが芽生えており、イコール十字キーではプレイしたくないという気持ちにもなっていたので、とうとう念願がかなったという訳だ。
今でこそPS4やXboxはライセンス品でなければ対応しておらず、当然公式では両機種対応と言うのも不可能なので、今思うと昔はなんとおおらかだったものだ、と思うものだ。そして、再びストIIに勤しんでいったのだが、実は私はウィザードリィのファンでもあった。そう、前年11月に、ようやく長らく発売予定のままだったウィザードリィVが遂に発売されていたのである。
まあ、これまで触れてきたように、当時はPCE版グラIIの事で頭がいっぱいだったし、そもそもファミ通も読むのを止めていた当時としてはウィズの情報自体入ってこなかったので、欲しいとも思う訳がなかった。一応、当時入会していたプレイヤーズ・フォーラムのダイレクトメールで発売する事自体は知っていたのであるが、それでも購入欲が沸くことはなかった。
それが3月ぐらいになって、突然欲しくなり始めた。当時は難しそう、と言う意味からも敬遠していたのであるが、JICC出版局の「ウィザードリィVのすべて」を立ち読みした時に「なんかできそう」と興味が湧きたちはじめ、また名作の誉れ高いゲームボーイ版「ウィザードリィ・外伝II」のすべてを読んだのも大きかった。
と、いう訳で、3月のある日、本厚木のゲームショップにてウィザードリィVと、ターボファイルアダプターを別々の店で購入した。後者はそれなりにレアなアイテムのようなので、入手出来たのはラッキーだったと言っていいかも知れない。ただ、なぜか勲章はひとつしか持ちこせず、アイテム増殖技も不可能となっていたので、正直そこまで絶対必要と言うものでもなかったかも知れない。
そして、攻略本頼りのプレイであったが、謎解きの答えは全て伏せられていたため、それだけは自力で解かなければならなかった。一応ヒントもあったので、自力で解けはしたのであるが、最後の方の1問だけがどうしても答えが浮かばなかったので、それだけはアスキーのテレフォンサービスを頼ってしまった。
まあ、それでも全体的にはかなり楽しめたのであるが、777階、通称地獄のモンスターとアイテムがインフレしており、ウィザードリィならではのアイテム集めが心底楽しめなかったのには残念だった。まあ、時代が時代と言えばそうなのかも知れないが、あれだけ苦労した村正などのアイテムがあっさりと出てしまうのには拍子抜けしたものだ。