スーパーファミコンを愛す・その8 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

結局初回分のFFIVの予約を逃してしまった私は、発売日に入手する事はかなわなかった。しかし、その頃になると大分SFCへの思い入れはかなり落ちており、結局しばらく買う事はなかった。その要因としては、前回も触れたようにグラディウスIIIをきっかけ、そしてストリートファイターIIを決定的にアーケード寄りになった事。当時のストIIブームというのは尋常ではなく、1回のプレイに数十分も待つのを厭わないほどの人気を誇っていた。

 

当然、ゲームセンターへ行く回数も一気に増え始め、必然的に家庭用への思い入れも薄くなる。そして、多少なりともゲーセンに夢中になった人たちなら分かるとは思うのだが、ゲーセンが中心になると、やはり誰でも長時間プレイすればラストまで辿り着けるRPGユーザーなどを見下しがちになってしまうのだ。もちろん、全てのRPGがそうではないのはもちろんとは言え、一般的な認識と言えばそうであった。そして、さらに当時はアーケードと家庭用には埋めようのない性能の差があった。

 

つまり、アーケードこそビデオゲームの王様、という認識が生まれるのも必然であり、イコールアーケードゲーマーは家庭用ユーザーよりも格上、という認識が生まれてしまうのだ。と言う訳で、FFIVを逃した事もまもなく気にならなくなり、ひたすらストIIに夢中になっていった。さらに、それに加えてこの頃になるとSFCソフトも充足し始め、イコールひとつひとつのソフトへの注目度も薄くなってしまう。さらに、当時は最低でも8000円以上はしたSFCソフト、そうそう何本も新作を買えるものではない。そういう点も含めて、次第にSFCから離れがちになってしまったのである。
 

と言う訳で、この年の夏はSFCからはほとんど離れてしまった。なので、この頃に買ったゲームと言えば、1年遅れのPCE版「スーパースターソルジャー」ぐらいだったように思える。これは非常に面白く、特にキャラバンモードの面白さは至高であり、2分モードで52万点以上を出せるまで夢中になってプレイしていったものである。

 

その結果、FFIVを購入したのは10月下旬の事だった。この時の事はあまり覚えてはいないのであるが、近所のお店に入荷していた時に、たまたまお小遣いがあったから買えたのだろう。さすがにSFCならではのグラフィックと、シリーズ屈指の美しいBGMには酔いしれたものだったが、すでに発売から3ヵ月経っていた事もあって、自力でプレイするモチベーションはなかった。つまり、最初からずっと攻略本を見つつプレイしていったのだ。

 

なので、当然ボスの弱点など知った状態でプレイしたので、何も苦労する事なくクリアする事が出来た。これを翌年あるクラスメイトに話したら、「邪道だ」とか言われたものの、正直この時の自分としては「誰でもクリア出来るように作られたゲームにそこまでマジになって時間を費やすなんてもったいない」と言う冷めた考えでいたため、ヒントを読んでプレイする事に対してなんの抵抗もなかったのだ。そんなんなら最初からプレイしなければ良い、と言う感じなのであるが、まあFFIV自体はプレイしたかったのは確かだ。

 

翌月には、SFC本体発売1周年を祝うかのように「ゼルダの伝説」が発売されたが、すでにこの時はプレイする気もなかった。当然、アーケード中心と言う事もあったのだが、PCEにコナミが参入と言う大事件、そしてSUPER CD-ROM2ユニットの発表、そしてそして最大の目玉であった「天外魔境II」の発売を翌年に控えているなど、PCEへの注目度が非常に高まっていた事もあった。

 

それでも任天堂の一強は揺るがなかったのだが、私の興味は完全にそちらへと向いていた。つまり、FFIVをクリアして以降は本体を起動する事自体なくなってしまったのだ。まあ、当時の私の嗜好を考えればやむを得なかったのだが、という訳で本体は宝の持ち腐れとなってしまっていたという訳である。しかし、そんな時にある超大作の移植が発表された。もちろん、電撃的な「ストリートファイターII」のSFC移植決定である。