スーパーファミコンを愛す・その3 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

12月は前回触れたゲーム以外にも、「ポピュラス」や「アクトレイザー」などの注目作も発売された。前者は海外PCがオリジナルであるが、SFCと同時期に発売された事からも大きく報道され、これで知名度を上げたゲームのひとつと言えた。後者はエニックス発売だったが、ドラクエ以外のタイトルしかもSFC初期タイトル、という事で、そのゲームは完全オリジナルながらこちらも注目を集めたソフトである。

 

そして新年、SFCソフトの記事の中心はやはりマリオワールドであったのだが、その一方でファミ通では突如としてF-ZEROのMUTECITY-Iのタイムアタック特集が4ページに渡って特集される。当然、まだSFC本体所有前であったのだが、非常に読み応えのある記事であり、これによりF-ZEROへの興味が一気に湧いて行ったものである。

 

そして話は前後するが、これより数週間前のクロスレビューにおいて、当時辛口レビュアーで知られたTACOX氏がF-ZEROに本人初の10点をつけていたのだ。ほとんどのレビューが4点や5点、あのドラクエIVでも8点しかつけなかったTACOX氏がいきなり10点をつけたものだから、これは業界的にもちょっとした衝撃だったものだ。これにより、主役はマリオであり、F-ZEROはあくまでデモンストレーション的な佳作に過ぎなかったイメージだったのが、一気に覆る事となったのだ。

 

また同時期、早くもシャープからSFC内蔵テレビであるSF-1が発売された。14と21インチの2種類であったのだが、当時はまだまだ本体は入手困難であったがために、待ちきれずこちらを買って行った人も少なからずいたという。しかし、こちらはシャープC1とは異なり垂涎の的とはならなかった。その理由はなんとS端子出力だったからである。SFCのS映像は確かに綺麗なのであるが、やはり当時の最高画質と言えばアナログRGBにとどめをさしただけに、これは非常に残念だった。その上、さらにモノラルという有様。

 

確かに、当時は普通のテレビですらステレオはそれなりの機種でないと搭載されていなかったので、それは仕方のない事かも知れないが、あの迫力のステレオサウンドが楽しめないというのは致命的だった。一応、映像出力端子が上部についており、それを外部のアンプなどに繋げば出力自体は可能であったのだが、それはそれで微妙だ。

 

そしてこのSF-1、早いうちから近所の中古ゲーム屋である「ブルート」に展示されていた。よって、実は私がSFCの画面を初めてみたのも実はここだった。さすがにS端子と言えど、当時のファミコンはまだRF端子であったのだから、それは美しく見えたものである。そしてそこに映し出されていたのは、かのグラディウスIIIであり、植物面が非常に鮮やかに映し出されていたものだった。