「ラグランジュポイント」は、RPGとしてはまあ及第点といった所であったが、なにより特筆すべき点はVRC7というファミコン初のFM音源を積んだチップを使用していた事だろう。まあ、ぶっちゃけこの頃の私はアーケードデビュー前だったので、FM音源とはなに?という感じであったのだが、今思えば当時ですらまだアーケードの主流音源だったものをファミコンに搭載するというのは破天荒な事だった。
なので、元から評価の高かったコナミ矩形波倶楽部の事、発売前からそのBGMには大注目であった。ただ、もちろん総じてレベルは高かったのであるが、これと言って「核」的なBGMがなく、インパクトとしてはいまひとつだった。もちろんサントラCD化され、私もすぐに買ったのであるが、やはりいつでも聴ける家庭用ではあまり聴く事もなく、数年後に売ってしまった。さすがに後悔し、買い戻そうとした時にはすでにプレミアが付いていてしまった。しかし、2015年ぶりに再販され、幸運にも廃盤になる前に入手する事が出来た。
そして、このゲームが発売された頃、グラディウスIIIの影響でとうとうゲーセンに足を運ぶようにもなった。当時はストリートファイターIIの人気が大爆発していた頃であったが、私が実際にプレイしたのは少し後の事である。世間的にもSFCが主流になっていき、ファミコンソフトもまだ数は出ていたもののさすがの私もSFCが中心になっていったものだった。
そんな時にプレイしたのが、ファミコン版の「パロディウスだ!」である。ゲームボーイ版、アーケード版の順にプレイして行ったのだが、GB版の出来が非常に良かっただけあって、ファミコン版にもそれなりに期待はしたものである。しかし、さすがに当時のアーケード最新作は、どうアレンジしてもファミコンでは厳しく、そしてオリジナル要素がかなりいまひとつであったため、ファミコン版グラディウスIIのような評価を得る事は出来なかった。
ひとつ特徴を挙げるとすれば、ハードモードが非常に難しく、なんと1面から撃ち返し弾が登場する。おそらくファミコンのグラディウスシリーズで撃ち返しが発生したのは、このパロディウスだ!だけだっただろう。チラつきもあって非常に難易度は高く、おそらく私もクリアした事はなかったかも知れない。
それ以降はストIIにのめり込んでいった事もあって、ファミコンソフトをプレイする事はほとんどなくなってしまった。一応リリースは続いてはいたものの、雑誌などでもほとんど目を通す事はなかったと思う。それから数年後の1994年の2月、近所のお店であるものを偶然発見した。それこそニューファミコンである。