ファミリーコンピュータを愛す・その11 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

虚弱体質の代名詞ともなった「スペランカー」であり、中にはクソゲー扱いする人も居るかとは思うが、断じてそうではない。ただ、難しいのは事実であり、よく言われる身長の高さの半分から落ちたら死ぬ、などはその典型だろう。下に進むのが目的でありこのゲームでマリオ並に頑丈になったらゲーム性が崩壊するので、それはしっかり考えられた上での調整なのでと思う。

 

しかし、最も難しいのはそこではなく、中盤以降のツタからツタへジャンプして渡る部分が最高難易度ではないかと思う。と言うのも、その場合は十字キーとボタンを同時押しする必要があるのであるが、そのタイミングが非常にシビアなのだ。これは連射装置を使えば一気に簡単になるのだが、当時はまだジョイボールしかなく、ジョイカードが発売前の事だったので、しっかり目押しする以外なかったのだ。

 

そんな難易度で有名になったスペランカーであったのだが、それにもめげずに私は相当やり込んでいった。割と後の話になるが店頭のファミコンでスペランカーをプレイした時、ギャラリーの目で緊張感が増したのか3周ほどクリアしてしまった事があったぐらいやり込んだものだった。

 

そして、同じ頃に発表されたのが、かの「ディスクシステム」である。性能に関してはググっていただければいくらでも出てくると思うが、当時の売りとしては「容量はROMの3倍」、「500円でゲームの書き換えが可能」、「データ保存が可能」と言うものであり、いずれも優位性でカートリッジを上回っていた。特に、当時5000円、今の感覚で言えば1万円はくだらない価格が当たり前となっていたカートリッジに対し、新作の「ゼルダの伝説」ですら2600円と言う割安さは子供たちにとっては大変なアドバンテージだった。

 

もちろん、肝心のシステム自体はファミコン本体よりも若干高い15000円、そしてローンチは「ゼルダの伝説」と、「謎の村雨城」の2つだけ、あとのソフトは既存のスポーツゲームとスーパーマリオのみ、と言う事もあったので、発売日にすぐに購入したという人は多くはなかったかも知れない。実際、品切れでパニックになったという話も聞かないので、静かな出足であったかと思う。しかし、それでもディスクシステム自体の評判は非常に高く、私も発売2ヵ月後におねだりして買ってもらった。それはもちろん、「ゼルダの伝説」の出来があまりにも素晴らしかったに尽きる。

 

もちろん、書き換えなどの安さもアピールしたのは間違いないが、それでも良質のゲームがなければゲーム機などただの箱である。それを十分熟知していた任天堂は、これ以上ないほどのローンチソフトを用意した。それこそ、その名の通り生ける伝説となった「ゼルダの伝説」なのである。