ファミリーコンピュータを愛す・その12 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

当時、「ゼルダの伝説」はアクションアドベンチャーとか、リアルタイムアドベンチャーとか呼ばれていた記憶があるが、まあ今の観点で言えば「アクションRPG」である。ただ、RPGと言う言葉が初めて本格的に使われるようになったのは3ヵ月後の「ドラゴンクエスト」以降の話なので、当時RPGの3文字が使われる事は皆無だったはずである。一応、「頭脳戦艦ガル」のパッケージにRPGと言う言葉が使われていたという話であるが、もちろん世に与えた影響は皆無であり、ゲーム内容もシューティングゲームであって今日のRPGでは決してない。

 

そして、このアクションRPG、ゼルダタイプのゲームと言うのは当時は皆無であり、おそらくこの形のゲームを世に送り出したのは「ゼルダの伝説」が初めてだったかと思う。それだけに当時のゲーマーにとっては大変な衝撃であり、ありとあらゆる層が時間を忘れて熱中していったものである。そして、このゲームはタイトル画面からして素晴らしく、そこで奏でられるBGMは明らかにファミコン本体だけでは出せるものではなかったのだ。

 

これは非常にインパクトがあり、タイトル画面そのものの美しさ、そしてストーリーとアイテム紹介まで流れる事もあり、ファミコン史上でも屈指のタイトルでなかったかと思う。そして、それをさらに高貴に表現しているのが、そのBGMである。種明しをすれば、ディスクシステムに独自の音源が積まれている、との事だったのだが、それに関してはほんの一部でしか明らかにされていなかったため、当時の少年たちにとっては本当に衝撃的なものだったのだ。7年ほど経った後、ROMでも発売されたが、もちろんその音源は再現はされていない。なので、「ゼルダの伝説」に関しては、ディスク版一択である。

 

と言う訳で、この「ゼルダの伝説」をプレイ出来る価値、そして500円で新作に書き換えられる、と言うだけでディスクシステムは瞬く間に成功を収める事となった。これ以降、1988年の「スーパーマリオブラザーズ3」まで任天堂はディスクシステムに注力し、数々の名作をリリースしていく事となる。

 

そして、「ゼルダの伝説」と共に、「謎の村雨城」もそれなりにプレイしていった。ゲームとしての価値はゼルダに及ぶべくもないが、テンポの良いゲーム性と、軽快なBGMもあってかなり楽しめたものである。あまりにもやり込んだため、100人溜める事による無敵技まで可能になりそうなほど、何周もプレイしていった事もあるぐらいだ。

 

ただ、まだまだ初期はゲーム不足であったので、「スーパーマリオ」を買って、その片面に適当なゲームを入れてプレイしていったものである。ディスクの容量は約1メガビットのみなので、片面だと500キロビット程度であり大したゲームは入らなかったのであるが、1枚に2つのゲームが収録というのは非常に画期的だったものだ。