2020年最初のリリースとなったのは、あの「出たな‼︎ツインビー」だ。家庭用では過去にPCEとPS・SS版と2度移植されているが、PCEはもちろんの事、後者でさえもオリジナルとは程遠い出来だったため、「完全」移植は家庭用としては初である。後者はやろうと思えば完全移植は出来たはずだが、まず画面比率が近いすぎて一部アーケード版のパターンが通用しない事、さらに縦画面モードも搭載していない事から、歴代のデラックスパックの中では最も出来が悪かった。
なので、長らく完全版を家庭用でプレイする事は叶わなかっただけに、ファンにとっては待望の移植と言えた。まあ、正直歴史的な名作とは言い難いものの、ちょうど私がゲーセンに通い始めた時に出回っていたタイトル、かつ初めてワンコインクリアした縦画面ゲームでもあっただけに、個人的に思い入れがかなりあるのである。そして、BGMの評価も非常に高く、特に1、5、6、7面、そしてエンディングの曲は今でも屈指の名曲とされている。もちろん、サントラも単独で発売され、ゲーメストの直営店であるマルゲ屋では大ヒットを記録したそうである。
そしてアケアカNEOGEOが終了して以来、それまでが嘘だったかのように1週間1作品並みのペースでリリースされていく。しかし、それだけにマイナーなゲームも多く、特に1980年代のゲームはほとんど知らないものばかりなのが正直な所だった。なので、その後に購入したと言えば「プラスアルファ」と「トライゴン」ぐらいのものだった。という訳で、数こそ多かったものの、なかなか買う所まではいかなかったのであるが、そんな9月に遂に「グラディウスIII」の発売がリリースされた。
さすがに各メディアでも大々的に報道がなされたが、正直どこのサイトも「伝説的な名作」的な扱いに違和感を覚えたものだ。というのも、ご存知のようにグラIIIの難易度は当時としても常軌を逸しており、一部の熱狂的マニア以外からはこれでもかというほど徹底的にこき下ろされたゲームであったからだ。確かにその後の弾幕ゲームとは異なり、ほぼパターンゲームなので、やり込めば必ず先に進めるというゲーム性ではあるので、ゲーセンに行くような人であれば頑張ればなんとかなる。
しかし、当時はYouTubeもスマホもないし、攻略といえばゲーメストか他人のスーパープレイのみ。しかし、前者はタイムラグがあるし、後者は見ようと思って見れる訳でもないし、そもそも場所自体も思いっきり限られる。という訳で、大半の人がすぐに投げ出してしまい、当然ゲームとしての寿命も短かった。一応、ゲーム性やグラフィック、そしてVGMの評価が極めて高かった事もあって、ザ・ベストゲームの投票では20位に入り、その難易度も含めて半ば神格化されていった部分もあったが、それでも名作とは言い難いものがあったのだ。