アーケードアーカイブスを愛す・その3 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

前回のグラディウスの遅延に端を発した一連の流れは数年後になって知ったのであるが、完全な検証動画があるにも関わらず、狂信的とも言える遅延否定論者に関してはもう呆れるばかりである。結局、後のアップデートによりこの遅延は完全に解消され、ソフトウェア側による遅延、そして三原氏の完全勝利が確定し、否定論者たちは赤っ恥を描くだけのオチとなってしまった。

 

今見ても不愉快な話ではあるものの、世の中にはレトロフリークですら遅延に気付かない鈍感な連中も居る以上、致し方ない面もあるのかも知れない。しかし、それでも長年アーケードゲームに触れてきた連中にとっては、たかだか1フレームの遅延ですら気づくものなのだ。

 

まあ、そんな経緯がありつつも、当然の如くこの初代「グラディウス」はアケアカ最初の大ヒット作品となり、これをきっかけに月1程度のリリースではありながらも少しづつ市場は活気付いていく。その後も「A-JAX」や、「スターフォース」と言った往年の名作シューティングがリリース、そして11月には「沙羅曼蛇」がリリースされ、翌年以降も「バブルボブル」や、「ツインビー」と言った一世を風靡した名作がリリースされていった。

 

そして4月には遂に「グラディウスII」が発売。この当時の様子は知らないものの、今尚シリーズ最高傑作と謳われる名作中の名作なだけに、これをきっかけとして本体を購入した人たちも少なくはなかっただろう。前述のように、リリースの頻度こそ低かったものの、それだけに大物タイトルも多く、「量より質」をそのまま表していた。

 

そして8月には、これまでハードの設計上完全移植などは到底あり得ないと思われていた初代「ダライアス」がとうとうリリースされた。もちろん、実際に3画面モニターを使用する事は出来ないので、比率だけを再現した横長画面となっているのだが、これはもうHDMI接続によるフルHDを大前提としているからこそ実現したと言っていい。そして、それまでほとんどゲームとは無縁だった私が、初めてPS4に興味が湧いた瞬間でもあった。

 

つまり、「グラディウス」がきっかけではなかったのである。確かに私はグラディウスの大ファンであるものの、これまでの3作は全て家庭用に移植されてきたし、完全ではないとは言ってもアーケードのリアルタイムファンではない私にとってはそれだけでも十分過ぎるほどの移植だったのだ。そして、当時はまだプラズマテレビを使用していたのだが、2008年発売のこのモデルはまだD端子やS端子が搭載されており、つまりは旧世代機がまだ接続可能だったのである。

 

ゲームモードは搭載されていないため、若干の遅延は発生はしていたのであるが、それでも旧世代機をHDMI入力を通しての接続よりかは遅延が少なく、PS2をコンポーネント入力しても十分プレイ出来るレベルにあったのだ。

 

なので、以上のように当時の私にとって「グラディウス」だけでは購入意欲には繋がらなかった。しかし、さすがにダライアスの完全移植となれば話が違う。もちろん、迫力自体は本物には及ばないとは言っても、42インチとなればまあ当時としては大画面と言えるレベルである。結局、すぐに買う事はなかったものの、この「ダライアス」が決め手となり遂に12月にPS4本体とアケコンを購入したのだった。