初期のアーケードアーカイブスがどれだけの商業的成功を収めたのはか分かららないが、正直ラインナップを見る限り、それなりに知名度はあるゲームは多くてもこれだけで当時4万円もしたPS4本体を買わせる力があったかどうかは微妙な所である。将来的な期待値は高かったかも知れないが、据え置き型の市場自体が縮小していた頃の話、正直そこまでを予知して買う人も多くはなかったのではないだろうか。
そんな微妙な立ち位置だったアケアカの価値を一気に引き上げたのが、2015年に突如として発表された初代「グラディウス」である。これまでファミコン版を初め、メガドライブなどを除きほとんどの家庭用ハードに移植されてきた大御所中の大御所であったのだが、「完全移植」というのは一本もなかった。一応、PS・SS版の「グラディウス・デラックスパック」が最もアーケード版に近かった出来とは言え、すでに当時のハードを引っ張り出してプレイするのは面倒、と言えた時代だった。
一応、PS版に関してはPS3本体でプレイは出来たものの、入力遅延という避けられない問題があったため、完璧な状態でプレイするには初代PS本体とブラウン管の組み合わせが必須だったのだ。もちろん、ゲーム的にも完全な移植ではない。極めて近い出来ではあるものの、当時のブラウン管テレビを配慮した画面構成により、ゲージとスコアの位置が異なるなど、マニアには見逃し難い違いもあり、完璧を求めるマニアにとってはやはり本物ではなかった。
そんな経緯から、遂に極めてアーケード版そのままの「グラディウス」が、30年の時を超えて最新ハードでプレイ出来るようになったのだ。TwitterでもこれだけでPS4本体購入報告がかなり上がったと言われているし、往年のゲーマーにとっては最初のキラータイトルと言えた。
しかし、リリース当初は入力遅延が発生するという致命的な問題があった。実は、PS3に遅延があった事から、長らくPS4本体の購入を躊躇っていたのもそれに対する不安があったからである。この時は、アリカの三原氏がYouTubeで検証動画をアップし、今でも閲覧可能であるが、まあ見て分かるとおり明らかな遅延を起こしている。当時はまだアケコン自体の性能も良くなく、またテレビも昨今のような高性能ゲーミングモニターではないので、現在と比べると最良の環境とは言えないかも知れない。
しかし、家電メーカーでは最もゲームへの理解が深い東芝のテレビ、かつゲームダイレクトモードを使用している事からも、他のメーカーよりかは遥かに遅延が少ないのは間違いがない。しかし、そんなテレビを使用していても、見て分かる通りの遅延を起こしているので、これはもうソフト側で遅延が起きているのはまあ間違いはない。しかし、一部のユーザーがこれに噛みつき、どういう訳だか知らないが、半ば狂信的な感じで遅延とこの検証を真っ向から否定し、挙句の果てには三原氏がデマを広めた、という認定まで始めたのだった。