32ビット機時代に突入すると、当然ストIIの移植も期待された。しかし、それらが全盛を迎える頃にはやや鮮度が落ちており、結局カプコンの第1弾格ゲーは「ストリートファイターリアルバトルオンフィルム」となってしまった。当然、本流とは外れるので、実質的な第1弾は「ストリートファイターZERO」だろう。ほぼ完璧とも言えるその移植に、誰もがさすが次世代機と舌を巻いたものである。
ただ、世代としてはやはりストIIの移植が欲しい。それが実現したのは、1997年の秋に発売された「ストリートファイターコレクション」であった。3DO以外の32ビット機では待望のスーパーとXの初移植であり、当然モーションも完璧に再現されているのであるが、画面解像度や難易度の違いもあって、アーケードの完璧な移植とはならなかった。
その翌年、「カプコンジェネレーション」の最終第5弾として選ばれたのが、「ストリートファイターII」の3部作であり、ようやく初代の完璧に等しい移植が実現した訳だ。私は両機種をプレイしたが、画面解像度の違いにより画面が横長という弊害や、スコア表示の違いなどがあったとは言え、ロード時間の圧倒的な短さによりSSの方が遥かに出来が良かったものだ。
まあ、さすがに1998年当時ともなれば、初代ストIIにそうそう熱中する事もなかったのが本音とは言え、それでも初の完璧に近い移植に素直に喜んだものである。その後、PS2のコレクションにも収録されたが、あいにくPS版がそのまま収録されただけに過ぎなかった。また、ストIIだけでなく、全体的に初代PS版よりも遅延があるクソ移植である。
ただ、ZEROシリーズとIIIにおいては、PS2版において完璧な移植が実現された。IIXにおいても、通販限定ながら、通信対戦対応のマッチングサービス版としてドリームキャスト版が発売。これは私はプレイした事がないものの、内容的には最もアーケード版に近いものとされる。ただ、それでもなかなか初代シリーズが発売される事はなかったが、2018年遂に現行機種において「ストリートファイター30thアニバーサリー」が発売された。
当初は日本においても海外版のみの展開とされていたが、さすがに本家日本でそれはないだろう、との大批判が集中した。さすがにその声を無視できなかったカプコンは海外版から遅れる事4ヶ月、遂に日本版も完全収録されたバージョンが国内でリリースされた。もちろん、寸分違わないアーケード版の移植、特に初代とストIIは史上初の完全移植であったため、それは感動したものである。
しかし、プレイしてみると若干連続技が入れづらかったり、空中でのパンチが遅れたりする。なぜか、要は遅延である。シューティングなら一瞬で気付く遅延だが、格ゲーではなかなか気付く事が出来ず、Twitterなどを見てようやく実感したものだった。これはどんなアケコンやゲーミングモニターを使っても解消出来ないので、これに関してはもはやどうしようもない。
ただ、今年発売されたS「カプコンアーケードスタジアム」にもストIIとターボ、Xが収録されたが、これはSteam版で垂直同期をOFFにすればほぼアーケード版と同様にプレイする事が出来る。当然、コンボもビシバシ決まるので、ようやくアーケード版と同じ感覚でプレイ出来る、と喜んだものであるが、一部グラフィックが欠落してしまっているのが大変残念だ。