PCエンジンを愛す・その22 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

1994年12月、いわゆる当時の次世代機と呼ばれた3機種において、最後発となったのがPC-FXであった。私は家庭用に関してはずっとPCエンジンFANを中心に読んでいたので、もちろんこの機種のスペックは当時からよく分かっていた。しかし、アーケードでは3Dポリゴン全盛の時代であり、PSはもちろんSSでもそれを踏まえた設計がなされていた。

 

なので、このPC-FXのスペックを見た瞬間、正直目を丸くしたものである。スプライトはわずか128個、しかも内蔵音源はPCEとほぼ同じ。つまり、単純に言えばPCESGに動画再生機能をつけただけのような物である。もちろん、それだけよりかはスペックは上なのであるが、こんなスペックで勝負するとか正気か?と思ったものである。

 

案の定大コケし、市場からはあっという間に駆逐されていった。当然の結果である。なので、私はかろうじて本体を町田の「キムラヤ」で拝見した程度であり、ハード自体は眼中になかった。なので、この年末商戦のお目当ては、ようやく登場したPCE版の「餓狼伝説SPECIAL」であった。

 

前作である「2」の時点で、もちろんモーション自体は完全移植であったものの、なにか操作感覚がアーケード版そのものではない、という事に気づいた。もちろん、必殺技が出やすくなった事により、遥かにプレイはしやすくはなってはいたのだが、何か違和感が拭えなかった。しかし、このSPECIALにおいては操作感覚もほぼ完璧に再現されており、もちろんアーケード版のパターンもほぼ完璧に通用するなど、ネオジオ以外の家庭用ではダントツの出来だったのだ。

 

なので、次世代機を買う1996年までは、かなり執拗になってプレイしたゲームのひとつであったかと思う。そして、前も触れたように、同時期になって再び天外魔境IIを始め、ようやくクリア出来たのも初代PSを買う直前ぐらいの事だった。難しい謎解き自体はなかったとは言え、最終ボスのヨミがかなり強く、本当にこちらのHPもギリギリの所でようやく倒せた記憶がある。4年越しのクリアは感動もひとしおだった。

 

そして、この直後ぐらいにはCD-ROM2ドライブも寿命を迎えてしまい、ゲーム自体も完全にPS・SSへと移行したため、おそらくその年ぐらいがPCEをプレイした最後ぐらいかも知れない。当時、まだPCEを扱う店があったので、「クイズ殿様の野望」などを買ったりもしたのであるが、実質私のPCE時代は餓狼SPECIALと天外魔境IIが最後と言える。

 

もちろん、実機が壊れてからはPC上のエミュレータでプレイもした。ただ、海外でいまひとつだったせいかエミュレータの数は多くはなく、せいぜい有名なのはシェアウェアである「マジックエンジン」ぐらいだったと思う。もちろん、CD-ROMのゲームも動いたので、一時はかなりプレイもしたものだったが、やはりPC上のモニターでプレイするのは感覚が違い今ひとつに思えたものだ。