餓狼2から2週間後、第2弾となる龍虎の拳が発売された。こちらもPCEながら拡大縮小を再現はしているのだが、さすがにハード的に多少無理もあり、またキャラ自体アーケード版と同等の大きさには出来なかった事からも、正直餓狼2に比べると大分見劣りがしたものだった。
しかし、それらゲーム的な問題よりも、最も問題となったのがその異常なまでのロード時間の長さだ。アーケード版のストーリーモードはボイス付きのデモが流れるが、これらをCD音源付きで再現している事もあってデモ画面内でのキャラ読み込みが出来ず、ロード画面のみでひたすら待たなければならないのだ。
その間、敵キャラのシルエットと、残り時間を表すゲージも表示されるのであるが、ただでさえ長いのに加えて、なんと読み込みエラーが頻発して何回かやり直しになるのである。これにはさすがに閉口し、起動する気すら起きなくなっていったものだ。同年にDUOの最終版であるDUO-RXが発売され、これはドライブが強化されているとの事だが、これで起動すれば多少はマシになったのだろうか。
しかし、今ならともかく、当時はそんな買い替える余裕などとてもないため、我慢出来なければプレイしない以外の選択肢はなかった。まあ、ゲーム自体にそんな思い入れもなかったのが救いであったかも知れないが、この読み込みを体験していた人であれば大概の事には驚かないだろう、と思いきや、後年のネオジオCDではそれを遥かに上回る読み込みだったのだから恐れ入る。
ただ、救いなのは、PCESGに比べると、アーケードカード対応のソフトがそれなりに発売された事である。この点、新たにハードを買う必要があったSGに比べればまだ金銭的負担は軽かった、という事だ。そして、その第3弾が「ワールドヒーローズ2」である。こちらはおそらくキャラモーションにそこまで容量が必要でなかったせいか、読み込みもそこそこ速く、さらにゲーム性もほぼ完璧に再現しているなど、ほとんどアーケード版そのままの感覚だった。
惜しいのは、この「WH2」自体それほど名作ではない所である。悪く言えば劣化ストIIに過ぎない程度の出来だったので、本家SNKの餓狼やサムスピらを超える事は出来なかった。
また、このGWの最中に、友人と都内へ遊びに行ってきたのであるが、新宿のソフマップなどは餓狼2とアーケードカードをまとめて1万円程度で売っていた。さすがにあまりの割引に呆然としたものであるが、要はそれぐらいしなければならないほど、自分が思っている以上に売れなかったのだろう。まあ、よく考えてみれば決して多いとは言えないCD-ROM2ユーザー、かつゲームはとっくに旬を過ぎた餓狼2と不利な要素ばかりが揃っていたので、それも当然と言えば当然だったのかも知れない。