この頃になると、家庭用の雑誌はほぼPCエンジンFANとメガドライブFANしか読んでおらず、つまりは家庭用に関してはほぼその2機種の情報しか得る事がなかった、イコールプレイするのもその2機種が中心であったという事である。特にこの時期にはPCEばかりに注力していたため、ようやくここでこのタイトルとも合致する訳である。
もちろん、目当てはアーケードカードの移植物であったが、そんな中、小さく「マジカルチェイス誌上通販」なる記事が掲載されていた。正直言うと、この時点までそのゲームの存在自体知らなかったのだが、シューティングゲームという事で多少の興味は惹かれた。しかし、送料込みで確か9000円近くしたはずであり、SFC版ストIIターボ、さらにはプロレス観戦にまでお金を注ぎ込んでいてしまったので、とても見た事のないゲームにそんな大金を注ぎ込む余裕などなかった。
このゲームがいかに凄かったかを知ったのは大分後の事であったが、その出来と、プレミア具合を知った時にはさすがに無理をしてでも買っておけばよかったかな、と後悔したものである。昨今のPCエンジンミニへの収録も期待されたが、やはり版権関係がネックとなったか見送られてしまった。
まあそれはさておき、当初アーケードカードは1993年12月の発売となっていた。しかし、その分のRAMが調達出来なくなってしまったため、なんと翌春3月へと延期となってしまったのだ。正直、この時点ですら餓狼伝説2は旬を過ぎてしまっていたのに、さらに3ヶ月後となっては完全にもう過去のゲームである。ストIIダッシュの件と良い、この辺りはPCEの運のなさを象徴しているとしか思えない出来事だった。
そして3月、まずはアーケードカードと餓狼伝説2が同時に発売された。私的にはどうしてもすぐに欲しかったので、確実にあるはずのサトームセン相模大野駅店へと向かったものである。いくらで買ったかは覚えていないが、定価のトータルが19700円もしたので、それなりには払ったはずである。
その当時、先にSFC版を購入していたのであるが、さすがにPCE版はそれを遥かに凌駕する素晴らしい出来だった。ただ、確かにモーションは完璧なのだが、何かアーケード版に比べて違和感がある。その理由としては、まずキャラが細長だった事。ドットの関係もあるのかも知れないが、アーケード版のそれと比べて明らかにキャラが細長だったので、まずそこに違和感を抱いた。
もちろん、SFC版のように縦に圧縮もされていないし、キャラの等身は同じなのだが、このおかげで見た感じの印象が大分違うものとなっていた。そして、あまりにもスカスカで軽い印象のSEである。このゲームは通常技でも喋りまくるので、ストIIダッシュのようにSEにPCMを回せなかったせいか、やたらとSEが軽い。もうどうしようもないと言えばそれまでなのだが、これで受ける印象がガラリと変わってしまった。
そして、攻略上必須とも言えた「ライン移動攻撃をガードさせて投げ」が一切通用しなくなった。まあやってしまえばゲームがつまらなくなるので、使わない方が楽しめるのであるが、かなりCPUが強いゲームなので、これは格ゲー初心者にとっては辛かったはずである。その反面、必殺技が非常に出しやすくなっているので、これは改良点と言えた。BGMももちろんCD音源であるが、予算の都合か軽いアレンジが多く、かつてのイースや雷電で見られたような豪華なアレンジとは言い難かった。
そして、やはり最大の問題点は読み込みである。読み込み容量は増えても、ドライブは等速のままなのだからそれは遅いに決まっているのだ。一応、デモ画面中に読み込むなどそれなりの努力はしているが、それでも長いのは拭えなかった。ただ、まだ餓狼2に関しては我慢は出来た。どうしようもなかったのが第2弾の龍虎の拳である。