「イースI・II」の出来においては今更語るまでもないが、個人的には続編のIIIも印象深いものだった。このゲームはBGMが非常に良い事で知られているが、「レドモントの街」は内蔵音源だったので、ステージ選択画面の壮大なアレンジにいきなり圧倒されたものである。
そして、オリジナルはPC-88ながらも、多重スクロールを売りにしていたゲームでもあった。これがSFCやMDなら楽勝であるのだが、当然PCEでは一筋縄ではいかない。それでも、画面書き換えやスプライトを駆使して見事な多重スクロールを実現しているので、当時の家庭用ならではの「PCEでここまで出来るのか」という感動を思いっきり味合わせてくれたものだ。
そして、月末には遂に天外魔境IIが発売される。これも本体と同じく町田のキムラヤで購入したのであるが、並びこそしなかったとは言え、他にも何人か購入していたりと、人気の高さかつCD-ROM2の普及を実感したものだ。一応、この時点で100万台は売り上げていたらしいので、ほとんどの所有者が購入したと考えるとそれなりに売れたのであろう。
さて、当然CD-ROM2ゲームのパッケージは、音楽CDと同じものを使用しているが、そのためにマニュアルを分厚く出来なかった。そのためだけに、大作ゲームなどではマニュアルだけのためにわざわざ2枚組のケースが使用されていた。このため、中にはディスクが一枚しか入っていない、と言う苦情がきた事すらあったという。そして、大作だけあってかこの「天外魔境II」は当時でも珍しいピクチャーレーベルのディスクであった。
ゲーム内容は今更語るまでもないが、前作の問題点がかなり改善されており、非常にテンポよく楽しめたものだった。しかし、さすがに長過ぎ、どこかで飽きてしまったため、しばらく放置していたのだが、ある日友人が謝ってデータを消してしまい、以降それっきりとなってしまった。それからずっと後になって再開し、ようやく自力でクリアは出来たのであるが、実に発売からちょうど4年後の事となってしまった。
前作ではわずか3曲だったCD音源も、IIにおいては確か17曲とか使われており、さらにその大半はかの久石譲氏の作曲だった。ぶっちゃけ、当時はスタジオジブリの映画などまるで無関心であり、「魔女の宅急便」を見た事がある程度だったので、実は彼の名前は全く知らなかった。なので、のちの「もののけ姫」以降、ジブリが国民的な作品となった時、久石氏の名前を聞いて即座に天外魔境IIの事を思い出したものである。
さすがにゲーム中はほとんど内蔵音源であるが、フィールドだけは毎回CD音源である事は救いだった。しかも、これがおそらくゲーム史上に残るレベルの超名曲であり、何度も足を止めて聞き入ってしまったものである。