以前、初の秋葉原探索に関してはすでに触れているので詳しい詳細は省くが、さすがの秋葉原でもなかなか「ファイティングストリート」は見つける事が出来ず、最後に入ったお店でようやくひとつだけ見つける事が出来た。その後入った店では初代の天外魔境も売られていたので、それも購入していった。
今では「ストリートファイター30thアニバーサリー」にて初代をプレイする事が出来るが、2009年頃にWiiにてPCE版が配信されるまで、初代の移植はこのPCEでしかプレイする事が出来なかったのだ。そういう意味では非常に貴重な作品であり、長らくPCEユーザーならではの特権だった。移植度もなかなか高く、背景の雲と多重スクロールが再現されていない以外は、かなりアーケード版準拠となっている。
「マイク」が波動拳をジャンプで避けたりするなど、一部アルゴリズムに違いこそあれ、大きな違いはそのぐらいだろう。BGMは全てCD音源であり、しかも非常に良いアレンジなのでサントラとしても聴きごたえがある。その代わり、仕方ないとは言えほぼ毎回読み込みが入るし、それに加え勝利デモもCD音源が使われるので、テンポは非常に悪い。さらに、当時はもちろんボタンが2個しかなく、のちの「ワールドヒーローズ」のように押した時間で弱中強を使い分けなければならなかった。
しかし、WHはせいぜい弱と強しかないのに対し、こちらは3段階であるため押し分けなどほぼ不可能に近い。さらに、コマンドの入力精度がアーケード版のテーブルバージョン準拠であるため、波動拳ですら滅多に出せる事はない。1年後、シグマのジョイスティックを購入してからは多少マシにはなったものの、それでも非常に出しづらい。もちろん、昇龍拳は完全無敵なので、それさえ出せればクリアは出来るのだが、正直そこまでプレイできたかも定かではない。
一応、救済処置として、自在に必殺技を出せる裏技が存在するのだが、それが掲載されたファミ通の解説が不完全であり、その通りにやっても出なかったのだ。結局、ファミマガの大技林か何かでようやく再現出来たと思うのだが、相当後の事だったので時すでに遅しであった。
なので、当時の観点からしても、このPCE版には不満が募ったものである。また、同時購入した天外魔境であるが、IIはまだ本編ではなく体験版をプレイしただけとは言え、やはりそのクオリティの違いになかなかやる気が出なかったものである。特に、初代は坂本龍一氏作曲の3曲以外は全て内蔵音源であり、正直本編だけではHuカードと大差はなかった。もちろん喋りまくるとは言っても、当時のADPCMの技術ではまだノイズ混じりの音声だったため、ほとんど早送りしていたものだ。
よって、この2本に関しては満足とはいかなかったが、さすがにイースの3作は別格であり、特に今なお名作と言われている「イースI・II」の出来には圧倒されたものである。