新機種発表以降はあまり大きな動きはなかったが、1991年になるとにわかにCD-ROM2一体型本体を発売するのでは、という噂が誠しやかに流れ、ファミコン通信においても予想イラストなどが掲載されたりもしていた。実際、火のない所に〜という訳で、10月には遂に一体型のPCエンジンDUOが59800円で発売される。当時、本体とユニットを定価で購入した場合8万円を超えていたので、かなり価格を抑えたと評価されたのだが、冷静に考えてゲーム機としては超高額の部類であり、まだまだ私などには天文学的数字としか思えなかった。
そして、これはCD-ROM2の弱点とされたバッファRAMを増設したバージョン、いわゆるSUPER CD-ROM2対応のハードでもあった。旧ユーザーにはスーパーシステムカードと言う救済処置が取られたが、確かこれも定価で9800円ほどしたはずであり、わずか1.5MビットのRAMを積んだだけでこの価格とはえらいものである。
なので、まだまだ私にとってCD-ROM2などは到底手の届く代物ではなく、ひたすらアーケードのストリートファイターIIに熱中する日々を送っていた。しかし、この夏ぐらいに、久々にHuカードのソフトを購入する。それは前年に発売された「スーパースターソルジャー」であった。今更語るまでもないが、初代スターソルジャーはファミコンの黄金時代を代表する伝説的なシューティングゲームである。もちろん、私も興味が湧いたが、前年まではRPGばかりプレイしていたので買おうとまでは思わなかった。
しかし、この年になってゲーセンに行くようになり、シューティングをメインにプレイするようになったので、中古で安かったのを見つけて買った、という事だったのだろう。また、この頃からゲーメストの影響でゲームビデオも見るようになり、ちょうどキャラバンの歴史をまとめたビデオを見たのも大きかった。このゲームはキャラバンモードが非常に熱く、何度も2分で52万点を超えるようになれるまでやりこんでいったものである。
そして、年末にはDUOから遅れること2ヶ月、ようやくSUPER CD-ROM2のみのユニットが発売された。定価は47800円と、旧ユニットから大体1万円の値引きでありこちらもお値打ち感はあったものの、やはり冷静に考えれば高額な代物だ。しかも本体抜きの価格である。冷静に考えればコスパは悪かったはずであるが、すでに初代PCEを所有していた私的にはあえて一体型を買おうという選択肢は思い浮かばず、翌年の3月にお年玉を駆使して遂にCD-ROM2ユーザーとなったのである。
そして何故3月だったのか、それはもちろんあの「天外魔境II」のためである。