これまで述べてきたよう、360は格ゲーやシューティングにおいてPS3よりも遥かに優位性を保っていた。そのおかげもあるのか、アケコンに関してもそれなりに豪華なラインナップが揃えられていた。まあ、ほとんどの場合はPS3用も同時に発売されていたのであるが、出揃った頃はPS3の遅延の酷さは半ば常識となっていたので、ハードの普及台数を考えれば360用のアケコンの出回りは良い方だったように思う。
アケコン自体は初期から発売されていたが、本格化してきたのはやはりマッドキャッツが参入してからであったかと思う。初代はあの有名なストリートファイターIVとコラボしたTEであったが、確か限定数だったはずであり初回以降は手に入らなかった記憶がある。なので、以前も触れたが、私が本体を購入した時はあのミニアケコンしかなかった。パーツはマッドキャッツオリジナルであったが、換装前提の作りとなっていたため、すぐにセイミツに交換したのは述べたとおりだ。
そして、2009年10月に待望のTEのノーマルバージョンが発売。大体18000円前後と、当時の相場を考えたら信じられないほど高額であったが、かろうじて16000円程度で購入する事が出来た。私的にはビュウリックスタイプは馴染みがなかったのであるが、いざ使ってみると非常に操作性が良く、今思えば別に三和電子のままで十分行けたものだ。
そして、それに負けじと日本のHORIが、なんとビュウリックス筐体を模した、当時としては異例の3万円のアケコンを2010年3月に発売。当時アケコンマニアでもなかった私としては結構迷ったが、やはり限定という言葉に弱く360版を購入。その存在感には圧倒はされたものの、やはり自宅で使うには大き過ぎ、また感触もTEの方が良かったので、ほぼ観賞用に終わってしまった。
それから1ヶ月後、HORIが通常のRAPバージョンを発売。一応購入したが、やはりTEの方が良かったのですぐにヤフオクで売却してしまった。しかし、当時はほとんど遅延に関しては触れられていなかったが、4年後、あるサイトによりこちらがアケコン史上でも屈指の高反応アケコンであった事が判明、変換器を使用しPS3やPS4に使うユーザーが続出した。
そして、PS4史上屈指の名機であるRazerの旧Pantheraのプロトタイプとも言える、Atroxが最初に発売されたのもこの360であった。さすがにそれに関しては今では入手困難であるものの、それ以外のRAPやTEであれば割と入手が容易なので、仮に今360本体を購入してもアケコンに苦労はしないだろう。しかし、さすがに設計は古めであるし、またRAP以外は遅延もあるので、今であればBrookのWingmanコンバーターにPS4のアケコンを接続するのが一番現実的と言える。