私が360を愛好した最大の理由が、言うまでもなくシューティングゲームが豊富だったからである。ライバルのPS3のそれが、雷電IVやレイストームなどが発売されるまで、ほぼ皆無に等しかったのと比べると対照的だった。一説には「SCEがそれを好まなかった」という説があるのだが、これは今では風の噂に過ぎないという。
まあ、すでにシューティング自体は完全に斜陽であり、セールスも望めないジャンルであったのは否めず、単純に商業的な問題であったかとは思うのだが、個人的には処理速度や、そして何と言ってもアケコンの遅延が激しかった事などもあるのではいかと思う。特に、これまで何度も触れてきたよう後者は致命的であり、当時まだ発売していたDL専売のナムコミュージアム.commを、当時の最新RAP3でプレイした時には、そのあまりの遅延の酷さに愕然としたものだった。
そんな経験もあり、360で斑鳩を初めてプレイした時はその快適さに驚いたものである。それ以外のソフトでも、プレイに支障のあるほどの遅延を感じた事は皆無であったので、それもまた360を好きになっていった理由だった。そして、以前触れたよう、「虫姫さまふたり」以降、ケイブのシューティングが発売される度に購入していったものである。
当時はまだパッケージオンリーであったのだが、「シューティング=生産数が少ない」という事からセガサターンの反省を生かし、ほとんど初回で購入していった。初回特典が多かった事も尚更である。そして、ゲームの移植自体も素晴らしく、ブラウン管の低解像度から、720PながらもHDにコンバートされた画像はあまりにも美しかったものだ。プラズマテレビとの相性も良く、まだ残像感が酷かった液晶に比べて、前者はほとんど気になる事もなく非常に快適にプレイも出来ていたものだった。
ただ、何故か「ケツイ」だけは自社ブランドではなく、5pbなるメーカーから発売される事となっていた。しかし、この会社は以前にも触れたよう、「怒首領蜂大往生ブラックレーベルエキストラ」で大失態をやらかしてしまったメーカーだったのだ。実際にやらかしたのは外注先であったようだが、当然5pbの監督不行き届きの責任は大きく、危うく「ケツイ」も販売中止に追い込まれそうな感じなのではあったが、無事に2010年にを迎える事が出来た。
ただ、自社レーベルのそれに比べると、アーケードを知らなかった私にとってHD画質バージョンのない360版は不満だった。Amazonのレビューでもあるが「これならPS2でも出来るんじゃないの?」と思ってもおかしくない出来である。実際は無理だったようであるが、それでもどうしても「これで360なの?」という印象は拭えず、最もプレイしなかったゲームのひとつとなってしまった。なので、実際に「ケツイ」というゲームにハマったのは、PS4版を購入してからの事である。
末期の頃はほとんどゲームに関心がなかったので、気がついた時にはかなりのプレミアがついてしまっていた。しかし、2019年になっても幸運な事に「ゲームオンデマンド」で販売が継続されていたので、パッケージよりも割安で購入する事が出来た。これがなければ泣く泣くプレミアで買わざるを得なかっただけに、まさにDL時代の恩恵である。これで「怒首領蜂 最大往生」もようやくプレイしたのだが、前作よりも遥かに高い難易度かつ遅延もあったため、結局あまりプレイする事はなかった。