当時、ほとんどのハードでレトロゲーム配信サービスを実施していた。その先駆けとなったのはドリームキャストのドリームライブラリであるが、当時はブロードバンドもゲーム本体にHDDすらない時代であり結果的には失敗に終わってしまった。しかし2009年当時はいずれも当たり前の機能となっており、ようやく時代がセガに追いついていた様相だった。
これだけでもいかにセガが先鋭的、まさにかつての佐山聡なみに時代を先取りしすぎていたかが分かるのであるが、とにかく当時のレトロゲーマーたちはこれらのサービスに注目し始めており、そしてハードを購入させるきっかけを作るには十分だった。その中でも、最も目を引いたのがXBLAだった訳である。PS3は基本オリジナルとPSのアーカイブのみ、Wiiは家庭用は豪華であったが、アーケードの展開は一部と、あまり自分の琴線には引っ掛からなかったのに対し、Xbox360はほぼ全ジャンルを網羅していた。
サービス開始からほとんどは、1980年代のレトロゲームばかりであったが、2008月4月にシューティングファンを狂喜させたタイトルが突如リリースされた。いわずもがな、トレジャーの伝説的名作「斑鳩」である。スペック的にエミュレータではなく、おそらく普通に移植されたと思うのであるが、以前移植されたDCやGCはすでに過去のハードであったがたために、最新のハードでプレイ出来るというのは大きな喜びであった。
ただ、PS3すら所有前の当時としては知るよしもなかったので、実際に存在を知ったのは2009年になってからではなかったかと思う。私は長らく格ゲーを中心にプレイしてきたが、やはり最も愛するジャンルと言えばシューティングを置いて他にない。そして、すでに所有していたPS3やWiiに比べると、360は量や質ともに圧倒していた。DCが失敗し、セガが家庭用ハードから撤退してからは、初代Xboxが実質的なDCの後継と見られる節があった。
しかし、初代Xboxは日本ではシェアを伸ばす事が出来ず、キラーソフトも少なかった。しかし、その反省からか360は最初から大きなプロモーションを仕掛け、シェアこそ他社には及ばないものの、それでも初代を上回るセールスを記録していた。決して一番ではないが、ポテンシャルは最高かつゲーマー向け、そしてシューティングが豊富、さらにレスポンスの関係からかストリートファイターIVの公式ハードにも選ばれるなど、なんとなくこの360こそがSSの後継ではないか、と思えるようになってきたのだ。
そして、遂に購入を決意する。別に中古でも良かったので、色々探し回った結果、町田の当時のブックオフにおいてエリートが割と格安で売られているのを見つけた。実はこのあとすぐ、新型の360が発売されたのでタイミング的には微妙だったかも知れないが、とりあえず格安でかつ当時としては大容量の120HDD付きであったので、迷わず購入していったのだ。