セガサターンを愛す・その10 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

1998年11月に、遂にドリームキャストが発売されると、当然の如くセガはDC中心のラインナップとなっていた。しかし、そのDCも、初期は湯川専務の話題作りもあり品切れを起こしたものの、実は半導体の不足により十分な台数が用意出来なかったというオチがつき、最も大事なローンチ時にいきなりやらかしてしまっていた。

 

一応、それは次第に解消はされていったのであるが、その最中にPS2の発表、しかも初代PSと一部ソフトを除き完全後方互換対応、さらには当時最新のメディアであったDVDドライブ搭載と、DC陣営としてはこれ以上ないカウンターを食らってしまったのだ。これにより、当然の事ながら買い控えが起きてしまい、さらにこれといったキラーソフトのなかった事もあって初代PSはおろか、自社のSSの販売台数すら届かない始末となってしまったのだ。

 

よって、DCは出だしからコケてしまったという訳であるのだが、当然市場的にはSSよりもDC中心の流れとなっており、SSの市場はほぼ完璧に終わりを迎えていた。一応、ソフト自体は2000年まで発売されていたのであるが、ほぼ風前の灯火みたいなものだった。それでもいくつかの有力ソフトは発売されており、特にカプコンの4MB拡張RAMソフトは当時になっても発売されていた。私が購入したのはストZERO3のみであったが、当然PS版よりも遥かに出来が良かったため、PS2でオムニバスソフトが発売されるまではそれなりに楽しめたものである。

 

まあ以上のように、市場的にはほぼ終わりかけであったのであるが、それはあくまで新品でのお話。中古市場は依然元気があり、特にSSはすでに過去のハードになりつつあったので、飽きたユーザーたちが一気に売り払っていった事もあり、SSの中古市場はかつてないほど活況を保っていたのである。

 

ただ、私がソフト収集に勤しんでいったのは2001年頃の事であったので、すでにいくつかのソフトはプレミア化されてしまっていた。当時、2chのプレミアソフトスレッドがかなり盛り上がりを見せていた事もあり、その影響もあった事だろう。その当時に代表的なプレミアソフトと言えば、やはり前回触れた「レイディアントシルバーガン」がまず筆頭であり、2001年当時にはすでに万超えは当たり前となっていた。

 

それ以外では「ステラアサルトSS」、そして最高峰のプレミアソフトとして名高い「心霊呪殺師太郎丸」だろう。後者は当時秋葉原の有力チェーンだった「トレーダー」で1本だけ見かけた記憶があるが、当時ですら19800円と言う価格だった。現在世界で最も有名な中古屋である「スーパーポテト」においても現物を確認出来たが、確か98000円ぐらいではなかったかと思う。これでもネオジオやメガドライブのプレミアソフトよりかは安かったのであるが、SSのプレミアソフトも群を抜いて高いのは海外のマニアのせいもある。SSは海外で成功しなかったため、日本版のプレミアソフトを入手するしかなく、海外のオークションなどでも高額で取引されているためだ。

そして、当時はスマホなんてものはなく、もちろんメルカリなどもない。ヤフオクなどはあるにはあったが、実際に始めたのはそれから数年後であり、つまり当時中古ゲームを買うためには自らの足で探す以外はなかったのだ。イコール、ブックオフなどのチェーンはもちろんの事、小規模のチェーンや個人商店などはまだ元気だった時代でもあったので、お店の数自体は今よりも遥かに多かった。なので、地元の神奈川県の県央地区などはそれこそ全てと言っていいぐらい訪れていったものである。

 

そこまでしても見つからなかったゲームは、最終手段の秋葉原しかなかった。しかし、そこでも「ナイトストライカーS」だけはどうしても見つける事が出来なかった。一度購入したゲームではあったのだが、何故か売却してしまい、ミッションスティックを購入した頃にまた欲しくなってしまったのであるが、元々出荷枚数が少なかったと思われただけに、地元ではどうしても見つける事が出来なかった。

 

なので、アキバへと向かった訳であるが、そこでも見つけられないとなればもはや諦める以外はなかった。しかし、それからまもなく町田の成瀬にあったゲオのワゴンセールで発見、わずか980円で購入する事が出来たという話もあった。

 

このSSコレクションはほぼ1年限りで終わったものの、このおかげでおおよそ130本程度は揃えられたかと思う。特にシューティングの有名どころはほとんど購入出来たと思うのだが、何故かストライカーズ1945IIや、怒首領蜂などはPS版の方が出来が良かったものである。その後、2003年に英語の勉強を始めた際、ゲーム自体も一旦止めてしまい、またハードもHDの時代に突入していった事もあって、自然な流れでSSは片付ける事となってしまった。

 

なので、最後に起動したのはいつだったのか全く覚えていない。もちろん、捨ててはいないものの、やはり周辺機器や下位互換のある初代PSと比べると、必ずSS実機を用意しなければならないのはハードの大きさもあって少々大変な事もある。なので、現在一番欲しい互換機は、何と言ってもSSだ。一応、エミュレータなるものも存在はするのだが、それでは味気なさすぎるので、どうかどこのメーカーでもいいからSS互換機を発売してほしいものである。