セガサターンを愛す・その5 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

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前回のグランディアの記事において、「ポリゴンが弱いとされてきたSS」と述べたが、これはPSに対して圧倒的に不利な点であった事は否めない。元々、開発の過程からして3Dを想定してきたPS陣営と、最強の2Dハードという構想から開始されたSSでは仕方のない面もあったのかも知れないが、ナムコと並びアーケード3Dゲームの雄であったセガが、それを家庭用において想定していなかった事は誠に不思議であった。

 

ただ、私個人としては、SS購入前にプレイしたのは店頭におけるバーチャファイターのデモだけだったので、それだけでSSがポリゴンに弱いとは判断は出来なかった。確かにアーケード版よりかはキャラクターは小さいかな、とは思ったが、操作感覚などはほぼアーケードそのままと言えたし、当時の家庭用のレベルからするとさすがに次世代機だな、と感嘆しかなかったものだ。

 

なので、すでに鉄拳2をPSでプレイしていた私にとって、バーチャファイター2の移植には正直あれ?と思ったものである。SSの性能を考えたらよくぞここまで、というレベルであり、アーケードをやり込んでいなかった私としては十分満足は出来たのであるが、のちにアーケード版に再び触れた際、その出来の違いに愕然としてしまったものである。

 

まあ、基本キャラクター以外は全て2Dなバーチャ2に関しては、ポリゴンの汚さというのはあまり目立つものではなかったのであるが、レースゲームともなればそれはPSとの違いは一目瞭然だった。特に、アーケードでは同時期に活躍していた「デイトナUSA」などは、正直そのあまりの力技的な移植に愕然としたものだった。のちのサーキットエディションではまだマシにはなったとは言え、それでもPS初期のリッジレーサーにすら及ぶべくもない出来である。

 

ただ、当時は「家庭用でここまでやるか」という楽しみが残されていた時代でもあったので、ポリゴンの弱さをなんとか克服する的なゲームをプレイするのもまた楽しみのひとつであったに違いない。特に、かなり後期になるが、オリジナル作品の「バーニングレンジャー」などはSSとしてはかなり頑張っていた作品であったかと思う。

 

そして、1996年の年末商戦対策として急遽開発された「ファイターズメガミックス」などは、ポリゴンに陰影や丸みをつける事が出来る「グーローシェーディング」という技術がファイティングバイパーズに続いて投入された。これは雑誌でもフォーカスされ、私も発売と同時に購入したほど楽しみにしていたものであったが、逆にポリゴンの荒さがかなり目立ち、動画であれば圧倒的にVF2の方が見栄えが良かった。そもそもゲーム的にも荒さが目立つやっつけ仕事的な出来であり、買ってすぐに売却してしまったものだ。

 

以上のように、とにかく当時主流になりつつあった3D画面において、SSは圧倒的に不利な事がゲーマーの間では定説となってしまった。当時買うソフトのほとんどがSSだった私としても、そこだけはやはりPSを認めざるを得なかったものである。それでも、ハードの後期となる1998年頃には、ハードの性能を限界以上に引き出した伝説的な名作がリリースされていき、SSユーザーを狂気させたものである。