そして1994年、次世代機と呼ばれたプレイステーションと、セガサターンがほぼ同時にリリースされた。このうち、ナムコが選んだのは前者であり、ローンチとしてリッジレーサーをリリース、以降もPS普及のためのキラーソフトを次々とリリースしていったが、1995年の年末に、まさにレトロゲーマー待望のオムニバスソフト、その名もずばりなナムコミュージアムの1作目がリリースされた。
そして翌年2月の2作目に収録されたひとつが、ゼビウスだった。私はCMで知ったのだが、これだけ当時ほとんど無関心だったゲーム業界に再び興味を持ったほどである。実際に本体購入に至ったきっかけは、3月29日にリリースされた「グラディウス・デラックスパック」であったのだが、PS版を選んだ決め手はやはりナムコの存在だった。さすがにこれまでの家庭用よりも圧倒的に移植度は高かったものの、当時の画面解像度では横画面の際、画面比率が完璧に再現が出来なかったので、スコアを横に配置したいわゆるメガドライブ配置となってしまったのである。
苦肉の策とは言え、これでは雰囲気が大きく削がれてしまう。さらに、これでも通常のテレビにおいて、自機が隠れてしまう範囲が生まれてしまったために、アーケードの感覚を再現するまでには到底至らなかったのである。もちろん縦画面モードも搭載はされていたものの、当時の環境ではPC用ディスプレイ、もしくはプロフィール・プロを使用しなければほぼ不可能であり、つまり一般的な環境では出来ないも当然。結局このNM2版の評価は今ひとつであった。
しかし、それから5年が経過した2001年、突如として「2ちゃんねる」のゼビウススレッドに原作者の遠藤雅伸氏が降臨する。突如として現れたゼビウスの神様にネットは大騒ぎとなり、私も久々にゼビウスをプレイする動機に駆られていった。当時、まだNM2版しかなかったのであるが、アンテナ線が壊れて地上波が視聴不可能となったテレビがまだ部屋にあったため、それを強引に縦置きにして縦画面プレイを行なった。そこでようやくゼビウスの魅力に気づいた私はひたすらやり込み、7時間ほどかかったものの遂に1000万点を達成したのである。
ただ、それでもやはりNM2版の出来は今ひとつだという。そこで、1997年にリリースされた「ゼビウス3DGプラス」を購入する。前作の汚名返上とばかりか、高解像度モードを使用した縦画面モードは非常にプレイしやすく、わざわざ縦画面にしなくとも十分プレイ出来るほどであった。オプションも非常に充実しており、結局こちらでも1000万点を記録する事となる。
以降はあらゆる機種で移植されていったが、私が購入したのはXbox360版、現在は配信停止となったPS3版、Wiiのバーチャルアーケード版、そしてPSP版だった。さすがに1000万点まではプレイする気はなかったが、さすがにここまで来ると以前のような感動はしなくなったものである。当然、いずれも完璧なのであとはハードの好みでしかないが、当時のPS3のアケコンの遅延は酷いものがあったので、個人的にはXbox360版を一番よくプレイしたとは思う。
そしてPS4とXboxOneにおいては突如としてナムコのレトロゲームのリリースがストップしてしまい、それらをプレイするには過去のハードを引っ張り出してくる以外なかった。実際、私もそのためにPS3を幾度も起動していったものである。そんなゲーマーにとって、バンナムのアケアカ参入はこの度ない喜びだ。以前も触れたが、これはコナミのPCE参入に近い衝撃があったものだ。