雷電 on アーケードアーカイブス | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

記憶にある限り、2年ほど前に開発中としてラインナップされていた、アーケードアーカイブス版の「雷電」が、この度の7月1日に遂にリリースされた。1990年発売という事で、さすがに古さは否めないものの、当時はどこのゲーセンにおいても1年以上は見かけた超ロングヒット作となり、その後の縦シューに大きな影響を与えたゲームでもあった。

 

しかし、そうは言っても雷電が全ての縦シューの基礎を築き上げたという訳では全くない。というのは、この雷電というゲームそのものが東亜プランのゲームをほぼ模倣したものとなっており、まず東亜ありきという前提で考える事が普通だからである。それでも、当時のどんな東亜のゲームよりも大ヒット、かつロングヒットしたのも事実。さらに、ロングヒットの条件でもある一般層にもヒットしたというのが、当時としては極めて異例でもあった。

 

正直、当時の観点から言ってもかなりの難易度であったし、しかも当時はまだ連射がデフォルトではなく、手動が当たり前だった時代でもあったのだから尚更だ。なので、ゲーマーであった私でもそのヒットの要因というのは謎のままなのであるが、まあ分かりやすさというのがまずはあったのだろうか。

 

それだけヒットした事もあり、当時の家庭用3機種全てに移植がなされた。これらの比較はYouTubeで見る事が出来ると思うが、最もアーケード版に近かったのはメガドライブ版だろう。ただ、発色に難があったため、見た目的な近さはPCE版が優れている。さらに、このPCE版はのちにCD版も発売されたが、BGMのアレンジが極めて秀逸であり、VGMの評価が皆無だったアーケード版の評価から一転、いまなお非常に評価が高くいずれもハズレのない名曲揃いとなっている。

 

その中、ひとつ蚊帳の外だったのがSFC版である。移植がなぜか東映動画だった事もあって、その評価は当時から散々であり、さすがの私もこれだけは触れた事がない。よって、アーケード版を求めるならMD版、プレイしやすさと見た目とBGMを求めるのであればPCE版、というのが一般的な評価だった。しかし、いずれもアーケード版の完全移植は不可能であった時代であり、そのままを求める人にとっては不満が残っていた時代だ。

 

その雷電のほぼ「完全移植」が実現したのは、PS発売直後にリリースされたIIとのカップリングである「雷電プロジェクト」だ。ほぼ完璧な移植に加え、家庭用ソフトとしては史上初めて縦画面モードを搭載した。これにより、環境さえあれば完全にアーケード版と同じ感覚でプレイ出来るのであるが、ブラウン管主流の当時としてはなかなか容易ではなく、実際に試した人は多くはなかったと思われる。

 

しかし、その後は完全移植でプレイ出来るハードはなかった。一応、初代のみPSアーカイブスでリリースされたが、ご存知のよう遅延の問題があるため、ゲーム性においては絶対的に不利だ。よって、前述の「雷電プロジェクト」を引っ張り出してブラウン管でプレイする以外なかったのであるが、そういう訳で今回のアケアカ版は待望という事である。

 

完全移植なのはもちろんの事、もっとも懸念される遅延も全く問題ない。PS版ケツイやエスプレイド並の反応の良さであり、ゲーミングモニターはもちろん、有機ELテレビでも快適に出来るほどの快適さだ。

 

当時、まだまだ不慣れだった事もあって、アーケード版では2P側で4面、PS版でも6面ぐらいまでがワンコインで最高、つまり私にとっては今でも高難易度の代名詞的なゲームであり今なお苦手意識があるのだが、今回久々にプレイした所、5面までは進む事が出来た。しかも復活ありである。当時はノーミス前提で、一度死ねばそこで終わりだと思っていたゲームだっただけに、これは自分でも驚いてしまったほどであるが、これまで色々なシューティングで経験を積んできた結果だろうか。いずれにしても、この名作がPS4でプレイ出来るようになった事は、レトロゲーマーにとっては素直な喜びである。