先日、現在愛用しているASUSのVG259Qに触れたばかりであるが、さすがにIPSだけあって画質は抜群に綺麗であるものの、やはり残像感が気になったのは否めない。一応、1msを謳っては入るものの、TraceFree、いわゆるオーバードライブを100にしなければそれに近い数値は出ず、さらにその場合はもろにオーバーシュートが発生してしまうので正直実用に耐えるものではない。
PCであれば、これも前に触れたようにELMB、いわゆる黒挿入で残像感を解消する事は出来るのであるが、60MHzが限界な家庭用ではそうもいかず、私的にはどうしてもそれが不満だった。FPSやTPSこそプレイはしないものの、それでも2Dシューティングを愛する私としては、残像感というのはなかなか大敵であるので、そういう訳でこの辺りの件に関してはまだIPSでは限界があるなと感じつつあった。
そこで、TNパネルを視野に入れたのであるが、やはりASUSを使用してきた以上、真っ先に目についたのが、VG259の姉妹機とも言えるVG258QRである。2年前のモデルなので若干型落ち感があるのは否めないが、それでも今なお売れている定番中の定番モデルである。TNパネルであるにも関わらず、画質の評価も高く、さらには応答速度もかなり上位との事のため、随分と悩みはしたもののどうしても興味がつきず、この度購入するに至った。
正直、前述のようにTNパネルには画質で痛い目にあっているので、全く期待していなかったのであるが、その予想は良い意味で裏切られた。最初はWindowsから映したのだが、確かにネットの評判通り、「これがTN !?」と疑いたくなるほどの美しさだったのだ。画質のプリセットを映画に変えるとそれはさらに改善し、大袈裟な話IPSと遜色ないと思えるほどだったのだ。もちろん、視野角なども含め、発色そのものはIPSの方が上回るのであるが、IPSの美しさを知らなければこれで十分じゃないか?とも思えるほどだったのだ。
そして、肝心のゲームである。こちらはブラウジング以上に、IPSとの差は気になる事もなく、もうため息が出るほどの美しさだった。そして、PS4を接続してみた所、やはりこれも変わらないレベルだった。繰り返しになるが、ゲームオンリーであればまるでIPSと変わらないレベルであると言って良いと良かった。もちろん、これだと黒挿入は使えないので、TraceFreeで調整する以外はないのであるが、やはりIPSと比べると目に見えて残像感が薄い。100にすると若干背景等に違和感を感じ、かつオーバーシュートも発生してしまうが、それでもVG259と比べると遥かに目立たないレベルであり、ゲームによっては全然いける。
という訳で、これほどのクオリティであれば、VG259ではなく最初からこれを買えば良かったかも、と思ってしまうレベルである。もちろん、かなり前から視野には入れてはいたのであるが、HDMIが1系統のみであり、代わりに今時誰が使うんだ、というDVI端子がついていたので、個人的にはそれがどうしても許容出来なかったのだ。という訳で、その点がこのVG258の最大の欠点とも言えるだろう。音質も色々言われているが、それをゲーミングモニターに求めるのは野暮だと思うので、個人的にはレビューの対象外と言って良い。とにかく、TNパネルとは思えない美しさに大満足である。絶対にお勧めだ。