昨年から遂に日本でも始まったこの制度、これに不満を覚えた人はおそらく相当数が海外に行った事がないかと思われる。私はわずか6ヶ国しか訪問していないので偉そうな事は言えないのであるが、行った全ての国で商品をそのまま渡された。つまり、レジ袋が無料で貰えた国の方がはるかに希少であり、世界の常識からすれば貰えない、もしくは有料が当たり前という事になる。
2012年3月、3週間ほど香港に滞在した時、Yuen Longのスーパーで買い物をしていたのだが、会計終了時にレジのおばさんが何やら広東語で聞いてきた。当然何言っているか分からないのでうやむやになってしまったのだが、今思えばレジ袋は入りますか?みたいな事を聞いてきたのだろう。外出時には常にバックパックを背負っているので、特に問題はなかったのであるが、少なくとも2011年2月に初訪問して以来、海外でレジ袋が貰えないというのは常識となっていった。
「日本の常識は世界の非常識」とは昔から良く言われる言葉であるが、確かに不思議なくらいに日本の常識は世界ではまるで通用しないものばかりである。最近で言えばキャッシュレスの比率などはそうなのであるが、日本で生まれ育ち、かつ一歩も出た事がないのであれば、現金比率の多さなどは別に気になる事もないだろうし、日本の常識全てが当たり前という認識でストレスを溜める事なく生活出来るはずである。
しかし、数ヶ月でも海外滞在歴があれば、なかなかそうもいかなくなる。特に、香港のように国際都市であればそれは顕著となるだろう。公用語とは言え、今でも共通語として英語の使用は欠かせない地域でもある。その中に身を投じてしまうと、れっきとした日本人であるにも関わらず、なんで日本は世界と比べてこうなんだろう、と溜め込む必要のないストレスまで溜め込んでしまう傾向に陥ってしまうのだ。
以上のような経験から、レジ袋有料化に対しては何の不満も覚えなかった。むしろ、お金を払っている以上、必要以上の枚数やサイズを購入する事に後ろめたさもなくなるので、私としてはこの方がありがたいぐらいだ。