もう消えてしまったかと思われるが、かなり前に旧2chのスレッドにおいて「外国人曰く、何故日本人は(ほとんどの人が話せないにも関わらず)他人の英語にいちゃもんを付けるんだ?マイケル・ジャクソンなんてCome onをチュモンって発音してたぞ」という投稿がなされていた。以下、それに対するレスが続いていくが、その中で最も納得のいく理由が「マジレスすると妬み。俺の知る限り、高学歴の奴ほど妬みが酷いな。低学歴の奴は、すげえ、としか言わない」というものだった。
そして、これは現在でもスマホのまとめアプリでも見れるが、元ソニー社長の平井氏の完璧な英語に対しても、例によってやたらと評論家気取りのレスがいくつか散見された。本当に英語を話せる人は、日常会話レベルにまで到達するだけでもいかに大変かを十二分に理解しているので、憧れはしてもいちいち他人の英語にケチをつけるような真似はしない。よって、ここで批判している連中はまず間違いなくかなりの確率で英語を話せないと思われる。当たり前の話であるが、自分が出来ない事、見本を見せられない事を堂々と人前で行っている人間に対して、批判出来る権利などは一ミリたりとも存在しない。
そしてそして、YouTube上においても、芸能人や文化人、そしてスポーツ選手の英語を評価するような動画がいくつか見られる。正直、ここまでの流れを読んでもらえれば分かると思うが、私はこれが大嫌いである。理由は言うまでもないが、日本人の実に99パーセントがまともに英会話が出来ないとされる現実において、例え文法や発音は間違ってはいたとしても、ある程度言葉が続き、外国人とそれなりにコミュニケーションが取れるようなレベルだけでも、普通の日本人からすればかなりのレベルに達しているからである。
日本人が英語を話したがらない、または苦手という理由の一つに、「間違いを極端に恐れる」というのがあると思うが、些細なミスを繰り返す度このように周りからいちいちつっこみが入るようではそれは話したがらなくなるのも当然である。かなり前の記事でも触れたが、香港など英語が公用語、しかしネイティブの国ではない場所においては、まずはある程度のミスがあろうとしても「相手に通じる」事がまずなにより重要なのである。私はそれを重慶大厦に初めて泊まった際に学んだので、もちろんちゃんとした英語を話すよう意識も勉強もしてはいるが、それよりもなによりも「相手に伝わる」英語を話すように意識しているものだ。
そして、これも言わずもがななのであるが、一応はっきりと発音記号なるもので示されているとは言っても、国際語である英語、アクセントが国ごとに特徴があるのが当然である。一般的な日本人にとっては、ネイティブ、特にアメリカ人の英語こそ正しい、との認識が強いだろうが、世界的に見れば絶対にそんな事はない。もちろん、ネイティブの国同士でさえも、アメリカとUK、コモンウェルスの国々などは発音はもちろん、綴りすらも特徴があるのが当然である。にも拘わらず、他人の発音に対してどうだこうだと批評するのは、お門違いでしかないのである。