彩京シューティングを語る。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

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ストリートファイターIIによる対戦格闘ブームで一番の煽りを食らったのがシューティングゲームである。コナミが満を持して発売した「ゼクセクス」も、ゲームの奥深さはグラディウスシリーズには到底及ばない出来であったとは言っても、アッという前にゲーセンから消えてしまったし、特に対戦台が普及してからというものの、シューティングゲームはあっという間にゲームセンターから駆逐されてしまっていった。

 

そんな折、シューティングゲームに一筋の光明を差したと言われるゲームが、1992年春にビデオシステムから発売された「ソニックウイングス」である。当時、ゲーメストの読者投稿において、「ひそかにストIIのパクリかもしれない」というのがあったのだが、実はそれは全くその通りであり、シューティングゲームながら2P合わせて8キャラ(機体)から選択可能、前半3面はランダムと、これはまさにストIIそのものである。シューティングゲームの問題のひとつに、後半面にたどり着く前に、前半面を何度もやらされる羽目となりそこで飽きてしまいがちになる、というのがあったので、この前半面ランダムというのはひとつの解決策でもあった。

 

結果、シューティングとしては異例の大ヒットを記録し、かなり長い間ゲーセンに置かれる事となった。パロディウスだ!などもそこそこ長くは置かれていたのだが、縦スクロールとしてはかの「雷電」以来の大ヒットであったかと思う。そして翌1993年、ソニックウイングスのシステムをそのまま引き継いだ、ほぼ続編同様の作品である「戦国エース」なるゲームが発売されたのだが、発売元はビデオシステムではなく、彩京というそれまでまるで聞いたことのない新規のメーカーからであった。

 

パクリというにはあまりにもそのままだったので、おそらくソニックウイングスとは確実に関係があったかと思われるのであるが、大人の事情からかそれに触れるような記事は一切なかった。まあ、Wikipediaにもあるように、実際開発チームが独立して立ち上げた会社であったようなのであるが、この「戦国エース」も、ソニックウイングスのファンをそのまま引き継いで同年のベストシューティング賞に輝くほどのヒットを記録した。

 

この「戦国エース」において、彩京シューティングのコンセプトはほぼ固められたと言える。その後も、ほぼ毎年レベルで新作を発売していくが、そのほとんどが一連の流れを踏襲したものばかりであり、基本世界観などが異なるだけの感じであった。しかし、それであっても面白さは作品毎に開きがあり、そしてその中でも最大のヒットを記録したのが1997年にリリースされた「ストライカーズ1945II」である。これはゲーセンで何年にも渡って稼働され、家庭用でもPS・SSにおいて移植された。

 

一般的に2DであればSSが強いとされてきたが、何故かこの作品と怒首領蜂においてはPS版の方が評価が高く、特に前者においては処理落ちが半端なく酷いため、ほぼPS版ノーチョイスという感じであった。私的には1周も無理だろう、というほどの難易度であったのだが、攻略サイトなどで勉強してやり込んでいき、まずPS版をクリア、そしてアーケード版も1周を達成する事が出来た。イコール、PS版はそれほど移植度が高かった、という事の証明でもあった。

 

しかし、まだブラウン管主流の時代であり、ハードの解像度も低かったので、縦置きにしないとまともにプレイする事が出来なかった。私はいつかの記事で触れたように、古いテレビを縦置きにしてプレイしていったのであるが、大抵の人はそこまではしなかったであろう。横画面の「戦国ブレード」などはともかく、この事から長らくの間家庭用では完璧に彩京作品がプレイする事はなかなか難しいものがあったのだ。また、「戦国エース」に関しては移植すらされず、ほぼ10年後にPS2においてようやく移植がされたほどであった。

 

という訳で、1990年代中期以降のゲーセンを語るうえでは絶対に欠かせない彩京シューティングという存在なのであるが、にも関わらず家庭用の移植に関しては不遇であった。まあ、確かに家庭用ではシューティングのセールスは振るわないので、ためらいなどもあったのかも知れないが、ようやくここ最近になってSwitchにほぼ全作品が移植、そして昨年はSteamにもお目見えした。

 

私自身、Switchが欲しくなった理由でもあったのだが、Amazonのレビューを見るにつけ遅延がひどい、というのがあったので、それはプレイする前から不安であった。実際、それは事実であり、せっかく買ったにも関わらずまともにプレイするのはかなり厳しいと言えた。ただ、セガエイジスなどもそうなように、Switchで最初に出されるシリーズはほぼ独占タイトルでもあるので、他機種への移植は絶望視していたのだが、昨年になって遂にSteamにおいてもリリースされた。

 

実際、元のアーケード版にも若干の遅延があるとかないとからしく、このSteam版でさえもM2のPS4版ケツイなどに比べれば若干の遅延を感じなくもない。しかし、それでもさすがにNS版よりかは明らかに遅延は少なく、ようやく納得できる範囲でプレイできるようになった、という訳だ。なので、今からプレイするとするのであればSteam版をお勧めしたい。また、PS5の発売前、PS5版もリリースされる、という情報を見たのであるが、今なおリリースはされていない。正直、PS4でも十分なスペックであるとは思われるのであるが、まあ契約上の縛りでもあるのだろう。まあ出してくれるに越したことはないのであるが、最も遅延の影響を被るシューティングゲームというジャンルは、出来れば最も反応速度の高いハードに優先してほしい、というのが本音である。