ネオジオの思い出。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

ネオジオが発表されたのは1990年の4月頃であったかと思う。当時はまだSFCすら発売前だったので、スペックを見て今のアーケードの最高レベルの2D基板、というのはこのぐらいのレベルなんだな、と初めて知ったものだった。ただ、発売と同時にかなりのゲームが発売されていったものの、当時はまだこれといったキラータイトルもなかったので、専らレンタルビデオ店でのレンタルが主流だった。

 

しかし、当時はまだTSUTAYAも今ほど有名な時代ではなく、まだレンタルビデオの会員証が自身で作れない頃だったとは言え、実際にレンタルされているのを見たことはなかった。翌年、本体が1万円ほど値下げされ、本格的に販売もするようになったのであるが、確か低下ベースでまだ49000円ほどであったため、見かける事は皆無であった。しかし、そのアーケード版であるMVS筐体はほぼ1店に1台は見かける頻度で普及していたため、ゲーマーであればネオジオの存在自体は誰でも知っていた。

 

それでもまだヒット作と呼べるほどのものもなく、ファイナルファイトのパクリであるバーニングファイトが多少知られるぐらいであったのであるが、年末頃になってようやくゲーメストのヒットゲームに入るほどのゲームが生まれた。言うまでもなく、かの初代の餓狼伝説である。これは、ネオジオの台のみではなく、単独の筐体でも見かけるほどヒットしており、私の周りでもプレイしている人たちは多かった。しかし、当時はどうしてもストIIの二番煎じとして見てしまい、プレイする気にはならなかった。実際はストIIが発売される直前ぐらいから開発が開始はされていたので、ストIIの存在ありきではなかったのであるが、結果的にあまりにも似すぎていたために、強引にライン移動などを仕上げたと言う。

 

そして、1992年9月頃には龍虎の拳、そしてそして12月頃には対人対戦を前提として開発された餓狼伝説2が発売される。両者、特に後者は異常なほどまでにゲーメストがプッシュしていたので、ようやく私もプレイしていったものであるが、ストIIとはかなり異なるゲーム性に今一つハマる事が出来ず、結局ストIIダッシュターボに戻っていった。

 

1993年6月、前年にADKから発売されたワールドヒーローズの続編が発売され、この作品が初めてストIIシリーズの人気を1位から引きずり下ろしたゲームとなった。1991年5月に初登場して以来、難攻不落であったストIIシリーズの人気・インカム独占状態が遂にここで崩れたのだ。この天下は長続きはしなかったのであるが、ストIIに勝ったという影響は大きく、私もそれなりにプレイしたものである。動きがそれなりに滑らかであり、さらには必殺技も出しやすかったので、その辺りも良い影響だったと思うのだが、まあ一番はやはり主人公の技がストIIのリュウそのままだったのが大きかったのだろう。

 

1993年7月、同年のゲーメスト大賞を受賞する事となるサムライスピリッツが発売。これは当時の親友がやたらとはまっていたが、世界観がどうしても私には合わずに実際にプレイしたのは結構経った後だった。ナコルルが異常な人気を誇っており、当然のようにベストキャラクター大賞を受賞する事となるのだが、個人的には春麗などと比べるとなんで?と思ったものだった。しかし、当時のうちの文化祭でも漫画研究会がほぼ等身大レベルの絵を飾ったほどであったから、やっぱり人気はあったのだろう。

 

そして、私が本格的にネオジオにはまるきっかけとなったのが、餓狼伝説SPECIALである。最初はその難易度の高さに歯が立たなかったのであるが、ゲーメストの攻略を頼りにテリー、キム中心にプレイしていき、またリョウ・サカザキに会うためには無敗で行かなければならないため、それはそれは歴代ネオジオゲームのなかで最高にはまり込んでいったものである。以降、SNKから格ゲーが発売される度にプレイしていったのであるが、極上パロディウスによるシューティングの復興、またバーチャファイターなど全く新しい3D格ゲーの登場などにより、若干このあたりで勢いは落ちていったかと思う。

 

私自身もバーチャ2が発売された頃になって、ゲーセンに行くこと自体止めてしまったので、当然ネオジオのゲームもプレイする事はなくなってしまった。しかし、PCEのアーケードカードではネオジオのゲームをプレイせざるを得ず、そしてセガサターンにおいては実機並の移植度を誇っていた事、そして値崩れが早かった事もあったので、安ければ買っていった。しかし、当然当時はオンライン対戦は不可能だったので、飽きも早かったものだ。

 

その移植の中で、最後に購入したのは旧SNKから最後に発売されたソフトであるドリームキャスト版の餓狼MOWだった。当然、DCである以上移植は完璧、そしてロード時間も皆無、BGMは生音と、非常に出来の良かった作品だったと思う。そして、同じ頃にネオジオ本体が6000円ほどで売っていたので、格安な中古ソフトと同時に購入した。私は基板を購入した経験はないので、アーケードと本当に同じクオリティのゲームをプレイ出来たのはこのネオジオのみである。

 

その後、PS2でもほぼエミュレータを使用していると思われる、各シリーズの完璧移植が発売され、個人的に思い入れのある餓狼などは数本は購入していった。そして、ダウンロード販売が主流になって以降は、移植が容易な事からかあらゆるハードで発売され、そしてハムスターのアーケードアーカイブスにおいてはアケアカNEOGEOという別枠で扱われ、現在ではほとんどのネオジオゲームが現行ハードでプレイ出来るようになっている。

 

まあ、ぶっちゃけ今更ネオジオのゲームが完全再現された所でそうそう感動というものはないのであるが、とりあえずまあ800円ちょいで1本購入できるのはお得ではある。また、PS4であれば優れたアケコンを使用し放題なので、その辺りもアドバンテージだろう。1990年代ゲーマーにとっては避けては通れないネオジオ、今なお私にとっては忘れがたきハードである。