英語学習法再び・その1 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

今でも稀にこのタイトルの質問をされる事があるが、正直教えた所ですぐにマスターできるほど、日本人にとって英語のハードルというのは低くはないので、そうした所であまり意味はないとは思っている。しかし、実際に成人してからそれなりの英語力を身につけた人間が傍にいる、というのは大きな参考になるはずなので、聞かれたら一応それなりに役に立てるようなアドバイスはしている。

 

で、英語を理解出来るか否かの境界線は、まずは「脳内翻訳」なしで英語をダイレクトに理解出来るかどうかに、つまり「英語脳」を作れるかどうかにまず尽きる。これは非常に時間のかかる事なので、学校のみの授業ではまず不可能。なので、いわゆる学校英語というのは、「英語脳を作らずに英語を翻訳して理解できる最適な方法」な勉強法を教えているという事である。

 

今なお、学校の英語は役には立たないと思い込んでいる人は多いとは思うが、決してそんな事はない。海外旅行へ行っても、読むだけであればなんとなく理解出来るのも、学校英語のおかげであり、もちろん成人してから英語を学んでからも、全くのゼロからスペイン語やフランス語を学ぶよりも遥かに楽なはずである。「それでも会話は出来ない」と言う人も出てくるだろうが、それは最初から学校がそういった授業を放棄しているのだから話せなくて当然である。

 

要は、日本の英語教育というのは、教習所のようなものであり、「道交法だけは完璧だけど実技の経験ゼロ」のようなものである。なので、大抵の日本人であれば、話す練習もしておけばある程度なら言葉は出てくるはずである。しかし、日本と言う国は完全に英語なしで生活出来る国であり、日常で必要ないものを延々と学べるほど人間というものは強くはないのである。これが香港の尖沙咀や中環であれば、そこらじゅうに外国人がいるし、セブンイレブンやマクドナルドでのバイトでさえも英語は必須であるので、少なくとも日本にいるよりかはモチベーションは維持出来るだろう。それ以前に、英語が公用語であるという時点で、単純に比較は出来ないのだけれども。

 

また、もちろんであるが英語を学びたいとは言っても、ニュースや洋書を読めるようになりたいか、それとも会話がしたいかでも大きく変わってくる。当然、いずれは両方出来るようになるのが自然な流れではあるのであるが、基本前者やTOEICに関しては会話能力ゼロであっても問題はないので、その場合は基本話すようになるための練習は必要ない。まあ、TOEICに関してはリスニングもある、イコールそれは会話能力に対して絶対必要なものなので、一応会話能力の基礎自体は固める事が出来るのだけれども。

 

まあ、基本読み書きよりも、話せるほうが周りからすればかっこいいし、また会話そのものが楽しいので、基本学校を卒業した日本人が目指すとなればそこだろう。なので、ひとまずそれを目指すための勉強法であるが、まずは理解出来ないと話せるようにはならないので、ひたすらリスニングである。今ならYouTubeでいくらでも英語音声などは見つける事が出来るだろうが、それ以前に最もお勧めだったのが一世を風靡した「英語は絶対勉強するな」だ。

 

このシリーズのカンバセーションシリーズには、すべてCDがついてくるのであるが、最初に出たバージョンは難しすぎ、続いて出た初級編は若干内容に微妙な所と、演者の発音に癖があるので、お勧めは日本人女性が主人公であるピンク色表紙の中級編である。とりあえず初心者は、ひたすらこれを理解出来るまで聞いていくのがいいだろう。ある程度覚えたら、あとは著者のアドバイス通りにひたすら発音をまねていく。

 

正式にはここから書き写し、ディクテーションを行っていくのであるが、正直この効果に関しては不明であり、不要という人もいる。私は忠実に実行したが、正直かなりの時間と手間がかかるので、スマホに慣れた現代人にとってはちょっと牛歩戦術的過ぎるかもしれない。まあ、やった方が確実に耳に入るので、個人的にはやっても損はないとは思うのであるが、あまり高いレベルを望んでいない限りはやらなくてもいいのかも知れない。

 

そして、非ネイティブ最大の壁である「英語を英語のまま理解する」メソッドであるが、これに関しては英英辞典を使用する。「英絶」ではコウビルドを推奨していたが、はっきり言って初心者には難易度が高いので、個人的にはロングマンをお勧めする。今であればスマホで買えるだろうが、当然私の時にはペーパーであり、常に読みやすい位置に置いていたものである。「英絶」では、ここから知らない単語が出るたびに、決して英和を使わずひたすら英英を使っていくというものであるが、正直それも相当の根気が必要な作業である。そして、どうしても分からないものは分からないので、その場合は素直に英和を使っていた方がマシである。しかし、当然その場合も、英語ならどう説明されていくのか確認はする。

 

この作業をひたすら続けていけば、次第に英語脳は出来上がっていくはずなのであるが、英語力というのはなだらかに上がっていくものではなく、ある日突然上昇するために、そこまでたどり着けない前に止めてしまう日本人がほとんどのはずである。なので、最終的には自身の意思が全てになってしまうので、ここを超えられる「強さ」が備わっているか否か、というのがまずはターニングポイントとなってくるであろう。