2018年、健康診断において3年連続の警告書をもらったことをきっかけに減量を決意した私は、10月1日に遂にずっと関心を抱いていたTREKのクロスバイクFX7.3を、バイクプラス多摩センター店にて購入した。
サイズが重要なスポーツバイクにおいて、希望のサイズがない事は普通であり、通常であれば数ヵ月待ちとかも珍しくないのであるが、この時は運よく自分が目当ての赤、そして17.5インチのサイズが展示されており、その日のうちに持ち帰る事が出来た。
まさか持ち帰れるとは思っていなかったので、パンクしたらどうしようかと思ったし、また道を間違えてもしまったので、通常よりもかなり時間がかかってしまったものだったが、なんとか無事に帰宅出来た。しかし、サドルのサイズが合わなかったせいか、思ったよりも快適ではなく、多少のがっかり感が残ってしまってもいた。
後日、サドルの高さを再調整したところばっちりとポジションが決まり、ようやくクロスバイクの威力を発揮させる事が出来た。当然、ロードバイクのそれには及ばないとは言え、それまで乗っていたTREK6000のMTBなどとは比較にならないほど快適であり、またカーボンフォークの威力もあり乗り心地も問題なかった。
そして、自身初となったのがディスクブレーキだ。MTB用のディスクはかなり前から存在はしているのであるが、クロスバイクで普及し始めたのはこの頃である。一応、リムブレーキモデルも存在していたのであるが、希望の色がなかった事と、制動力に関しては圧倒的に差があるだけに、躊躇うことなくディスクにした。さすがにホイールを外すときは面倒ではあるが、そうそうそんなシチュエーションはないし、制動力の高さは比較にならないので、それはリムブレーキモデルが廃盤になるのも当然の事と実感した。
その流れから、次第にロードにも乗るようになっていったのだが、いかに2007年当時は最新とは言っても、自転車の世界で11年と言えば完全に浦島太郎状態である。時代はもはや11速が当たり前であったのだが、リアハブに互換性がない事からも、コンポだけを変えるとなると相当な額がかかってしまう。そこで、新たにロードバイクの購入を決意したのであるが、フルモデルチェンジを果たした2019年EmondaALR5は、確かにフォルムこそ最高ではあったものの、パープルとシルバーがどうしても受け付けなかった。
当時は新日本プロレスの内藤哲也のファンであったので、どうしても前年までの赤モデルが欲しく、FXで赤を選んだのもその理由だ。と言う訳で、中古を物色したところちょうど2016年モデルのチームカラーがあったので、約10万で購入した。しかも、ホイールのグレードも付属より高く、さらにペダルもボントレガーのボトルケージも最初からついていたのでかなりお買い得だったのだ。
スローピングも今では当たり前となっているので、抵抗感はまるでなくなっていた。むしろハイドロフォーミングの効果もあり、スローピングの方が格好良く見えてしまうほどだった。振動吸収性においてもネットでかなり評価されていたが、これも期待通りのものだった。アルミと言えばとにかく振動吸収性が悪い、と言う時代しか知らなかったので、乗った時のあまりのスムースさにこれがアルミなのか?とそれは驚いたものだった。
さすがにカーボンレベルとまではいかなかったが、それでも日本の綺麗な舗装路を走るレベルであれば十分すぎるほどの振動吸収性を誇っていた。さすがにマドンほどの剛性感はなく、特に高速域に関してそれは顕著に表れてしまったが、その代わり踏み出しと登りが非常に楽であり、坂道の多い地元としてはこちらの方が明らかに楽だった。
そんな訳で、久々にロードバイクにハマる事となっていった。もっぱら境川サイクリングロードを往復して江の島まで行くぐらいであったが、往復で60キロほどにはなるので、しばらくの間減量を兼ねて行ったものである。その成果もあり、最初の3ヵ月で20キロ、トータルで35キロほどの減量に成功した。さすがに飽きが来てしまい、ずっと乗らなくなってしまったが、最近地元でウーバーイーツが開始されたので、それをきっかけに再び興味が湧き始めた。
ウーバーに関してはすでに触れたが、これはまさにロードバイク乗りには天職のようなものである。傾きのおかげでロードには向かないとされていたが、最近では店舗の包装もしっかりしており、またロード乗りであれば分かるとは思うが、下ハンドルを持たない限りはそうそう極端な前傾にはならないものなので、今のところこぼれた事などは皆無である。
周りを見ると、電動でもない普通のママチャリでやっている人も見かけるが、4キロ先のオーダーとか入ったらどうするのだろうか。当然、そういう人は「両足がつく」間違ったポジションしか知らないはずなので、相当きついはずである。それを考えると、やはり原付並みのスピードが出せるロードバイクでない限り、一定の稼ぎは難しいだろう。点と点はいつの間にか線が出来る、と言ったのはかのスティーブ・ジョブズだそうだが、まさに15年前に始めたロードバイクがこんな形で役に立つとは、興味と言うのは色々抱いておくものである。