スーパーファミコン版ウィザードリィVについて語る。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

SFC本体発売の2ヵ月後ぐらいに、当時MSXマガジンから発売された「ウィザードリィマガジン」にて紹介されたのが、この「ウィザードリィV」である。本当に開発直後だったので、画面写真などは皆無であったが、当時はいちウィザードリィの大ファンであった私はそれだけでも胸躍ったものである。

 

因みに、このウィザードリィマガジンは発売当時全く本屋で見かけず、半年ぐらいたって小田急相模原駅の本屋にてようやく発見出来た。その後、本厚木の有隣堂で大量に新品があったのを見たのであるが、要はまさか本当に雑誌サイズそのものだったとは思わず、ゲーム攻略本関係の本棚ばかり探していたから発見出来なかっただけの話だった。

 

で、このウィザードリィVであるが、前述のように本当に開発直後の発表だけあって、実際に発売されたのは1年10ヵ月後の1992年11月の事であった。当時、任天堂ハードの雑誌は一切目を通していなかったので、当時私も参加していたウィザードリィプレイヤーズ・フォーラムからの告知はがきにより、外伝IIの発売と共に知ったのだった。

 

しかし、当時はPCエンジン版のグラディウスII以外眼中になかったので、実際に購入したのは4ヵ月後の事だった。当時、JICC出版局が発売していた「ウィザードリィのすべて」シリーズのファンだった私は、V版のそれも一緒に購入したかと思う。そして、キャラの称号に拘った私は、わざわざそれようのために作られた「ターボファイルアダプター」も運よく購入出来たものの、Vは称号をひとつしか持っていけないケチ仕様であり、さらにアイテム増殖も出来ないためにわざわざ買う事もなかったと思う。

 

ゲームの難易度は、迷宮の形が不定形になったために、飛躍的にダンジョンの難易度が上がったものの、既存のマップと、さらにデュマピックがオートマッピングになったので、それらさえあれば家庭用ユーザーでもプレイ出来るレベルに仕上がっていたかと思う。しかし、NPCとの会話は完全にオートになったとは言え、謎解きがオリジナルそのままなのだ。ファミコン版IIなどはアイテム交換に変更されたりもしていたが、このSFC版は完全にそのままである。これが非常に難解であり、地下1階の謎解きはゲーム上のヒントだけでもなんとかなったものの、あとは全て攻略本のヒントに頼った。

 

攻略本はヒントだけで、完全に答えまでは掲載されていなかったのである程度自力で考える必要はあったものの、それでも1問を除いてなんとか回答出来た。つまり、逆に言えば1問だけは自力で回答が出来なかったのである。そこで、最終手段としてアスキーの情報電話に電話をかけたところ、ちょうどその謎解きの部分が触れられており、ようやくそこで知ることが出来たのだ。ひとつ分からなかったのが何かは覚えてはいない。

 

ゲーム内容であるが、正直ゲーム性のみを再現するのであればファミコン版でも出来たとは思う。しかし、オリジナルのようにモンスター2種を同時表示、やその他操作性の向上などは、やはりSFCでないと苦しいと思われる箇所があったので、いずれにしてもSFC版として発売したのは妥当であったかとは思う。

 

ただ、一応最終ボスであるソーンを打倒後に、隠しダンジョン的な地獄への道が開け、そこには最強クラスの敵が立ち並び、最後は1Fへ飛ばされララ・ムームーとの決戦になるのであるが、いずれのキャラもほぼ毎回村正や、オーディンソードなどの最強武具を出してくれるので、アイテムが簡単に揃いすぎ、ウィザードリィの醍醐味であったアイテム探しの楽しみがほとんど皆無と言えた。そして、経験値も1度の戦闘で簡単に10万以上稼げるので、1度回ればレベルは確実に1上がるので、レベル上げの苦労もないに等しかった。楽と言えば楽なのであるが、ファミコン版からのファンとしては、オリジナルに忠実だったとはいえNOだった。

 

ただ、それだけ強くなっても、ソーンの前座である「クローン」との戦いは、こちらが強ければ強いほど苦戦するので、そのあたりのバランスのとり方はまあさすがだったとは言える。

 

初期ウィザードリィとは異なり、明確な目的をクリアしてからのお楽しみが減ってしまったのは残念ではあったが、それでも攻略本を見ながらでもかなり楽しめた記憶がある。私は最初から忍者を転送で連れていけたのだが、これまで宝箱を開けるぐらいしか役に立たなかった盗賊の活躍の場が広がったのが面白い所だった。そして、ビショップも池のおかげで呪文回数だけは早いうちから9に出来るので、識別以外でもよく使える職業になっていたものだ。なので、総合的にはかなり楽しめた作品だったと思う。