ゲームボーイ版ウィザードリィについて語る。 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

魔界塔士SaGaの成功により、ゲームボーイでもRPGが可能という事が証明されて以降、各社もこぞってRPGをリリースしていくようになった。そのひとつが、1990年7月頃に発表された「ウィザードリィ外伝I・女王の受難」である。まさかあんな小さい画面でウィザードリィ、しかも史上初の日本オリジナルシナリオと来ては、これはもう期待せずにはいられなかったというものである。

 

しかし、やはり試行錯誤の連続だったか、実際の発売までにはかなりの時間を要した。当初は1991年3月頃、とかだった記憶があるが、実際に発売されたのは10月の事、実に発表から1年と3ヵ月後の事であった。

 

内容的には、やはり日本人が作ったな、と思わせるぐらい、ある程度フリーダムに勧めたメインシリーズと比べれば、各階に必ずイベントが仕込まれており、手順をひとつひとつこなさないと決して先に行けない仕様となっている。いわば普通の和製RPGに近い感覚だな、という感じであるのだが、それ以上にまず厳しいのが物理攻撃の当たり辛さだ。遠い昔の事なので断片的にしか覚えてはいないものの、とにかく敵に攻撃が当たらないと言う事は非常によく覚えており、なので魔法使いのハリトも使わなければならないぐらい序盤では剣が当たらない。

 

解析によると、なにか武器の計算方法にバグがあったとからしいが、とにかくこのおかげで序盤の難易度はシリーズ屈指の高さだったと思う。そして、表の6Fをクリアすると、裏のフロアが登場するのであるが、これもとにかく難易度が高かった記憶がある。当時、アスキーから公式の攻略本が発売はされていたのだが、それでも及ばず、結局シリーズ初の挫折になりしばらくクリア出来ないまま放置してしまっていた。

 

それからかなり経ったのち、私の好きだった「ウィザードリィのすべての外伝I版を遂に発見する。すでにベニー松山氏の執筆ではなかったのであるが、氏のテイストを引き継いだ体裁は当時の攻略本の中でも一番であり、分かりやすい攻略もありとうとうクリア出来たのだった。

 

そして、1993年の3月ぐらいに、ある本屋にてたまたま外伝IIの攻略本を見つけた。こちらの出来もかなり良かったので、この本を使いたさにゲームも買ったようなものだった。後にレアソフトとなるが、私が買った時はもちろん新品だ。こちらはご存じの用、ベニー松山氏がほぼ全編に渡ってゲームデザインを行ったこともあって、非常に完成度が高い。Iの難点だった初期の物理的攻撃の当たり辛さについてはどうかは忘れたのだが、とにかく最初から最後まで熱中したのは間違いなかった。

 

途中、敵を石化する呪文を唱えてくる敵に、リセットが間に合わず全滅させられてしまったので、しばらく放心状態の後に再開した。ボタンひとつのファミコン版とは異なり、ボタン同時押しのゲームボーイはここが盲点だった。それでも最後までクリアは出来たのであるが、こちらはさすがにベニー氏デザインという事もあって、クリア後もウィズの魅力であるアイテム探しと、レベル上げを存分に楽しめる仕様だった。そのおかげで、クリア後もかなり楽しめたし、ネットのゲームカタログでも絶賛されているので、IIIとSFC版で発売されたIVはプレイはしていないものの、おそらくシリーズ中でも屈指の名作である事は間違いない。