新劇の序は、もちろん地元でも公開されていたとは思うのであるが、当時は新宿への定期券があったこともあり、わざわざ著名な当時最大級の映画館であった「新宿ミラノ座」で鑑賞した。ここへ訪れたのはこの時が最初で最後でもあったのだが、シネコンに慣れきっていた当時の私は、席が自由席であった事にちょっと驚いた記憶がある。まあ昔は全てそうだったのだけれども。
1000以上ある席はほとんど埋まっていたが、その分スクリーンまで遠いので、これなら地元で見ればよかった、と若干後悔もしたものだった。また、知人はその出来に絶賛していたものの、序に関してはほとんどテレビ版の焼き直しなので、後にDVDやブルーレイを購入しても1度きりしか見ていない。また、最初に出たDVDは、「千と千尋」よろしく劇場版とは色調がかなり異なっており、それに多くのユーザーが不満を覚えた。当然、メーカーはこれが正しいと開き直っていたが、同時に収録されていた予告編が劇場版そのままだったので、納得したユーザーなどいるはずもなかった。後にようやくブルーレイ版も発売されたが、さすがにこちらは劇場版そのままだったので満足なのであったが、正直あくどい商売だなと思わざるを得なかった。
また、主題歌に起用された宇多田ヒカルの「Beautiful World」を、私はえらく気に入り、何度もiPodに入れてはリピートして聴いたものである。当時はiPhoneも日本未発売であったので、まだお店でCDを買い、iTunesにインストールしてという時代だったのだ。
破は、健康診断直後に、南町田のグランベリーモールまで向かって視聴した。こちらは途中まではアニメ版準拠であるものの、次第に変化していき、まさかアスカがああなるとは思いもしなかったので、個人的にはショッキングなラストだった。しかし、周りの知人たちには概ね好評であり、ネットの評価も高く、興行収入も良かったようなので、今のところこれが最も評価の高い新劇と言えた。そして、こちらの主題歌は序のアコースティックバージョンであり、かつ配信オンリーでもあったのだが、まだパッケージに拘っていた時代でもあったので、物足りなさを感じた。
そして次は3年後、2012年11月公開のQであり、破と同じ劇場で見たのであるが、さすがに終わった直後は周りもポカーンという感じだった。一応、ブルーレイも購入はしたものの、1回限り、つまりは劇場と合わせても2回しか見ていない。ここから一体どうやってシンに繋げるのか、と興味津々であったものの、まさか未だに公開されていないとは夢にも思わなかったものだった。
本来であれば昨年6月が、コロナの影響で延期になり、さらに1月23日と再決定していながらも再度の公開延期と、あいにくのタイミングであった訳だが、これより少し前に「鬼滅の刃を超えるのはエヴァだけ」という、一部狂信的、もしくは単に煽っているだけ、的な記事がYahoo!で何度か掲載された事があった。すでにテレビ版から25年以上、当時を知らない人たちも増えた今、もしかしたら「鬼滅の刃」と同じぐらい凄い人気だったのか、と勘違いさせるような記事でもあったのだが、まあリアル世代なら知っているように、「誰もが知っている」レベルの「鬼滅の刃」とはとても比較にならない。人気があった事は確かだろうが、「鬼滅の刃」のレベルになって初めて社会現象と呼ばれるほどのブームであれば、エヴァは全く社会現象でもなんでもないレベルだった。
まあ、どんな漫画でもあそこまでのブームはなかった訳であり、エヴァがダメなのではなく鬼滅の刃が凄すぎるだけ、の話なのであるが、という訳でさすがに日本記録を樹立した鬼滅の刃の興行収入には全く及ばないだろう。まあそれでも、8年間延ばしに延ばしての公開とようやくなる訳で、それなりに楽しみにしている人たちがいるのも確かである。もっとも、Qの結末がどうなったのかもさっぱり覚えていないのであるが、まあとりあえず公開されたら見には行くだろう。