アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」が、テレビ東京で放映開始されたのは1995年10月の事だから、なんと今から25年も前の話である。その1995年当時の25年前と言えば、カラーテレビがようやく普及、王長嶋が現役なのはもちろん、馬場・猪木でさえまだタッグを組んでおり、さらにブルース・リーがまだ健在でもあった訳だから、そう考えると25年という月日はえらいものだなと今更ながら思ってしまう。
ただし、そのテレビ版エヴァの舞台自体は2015年となっているのだが、もちろん薄型テレビもスマホも劇中には存在しない。液晶どころかまだブラウン管が主流の時代、さらにケータイはまだ一般人には普及し始める直前ぐらいの時代であったのだから、そんな先の未来のガジェットなど想像つくはずもないのは仕方がない事だ。
で、本題であるが、当時はネットどころかWindows95日本語版すら販売1ヵ月前の時代であり、ゲームやアニメなどは「自ら能動的に」情報を得ようとしない限り、待っているだけでは絶対に耳には入ってこないような時代だった。なので、当然エヴァというアニメの存在などは全く目にも耳にもしていない。大体、当時の漫画で読んでいたのは、「ドカベン・プロ野球編」という、まるで毛色の異なるものだけだったのだから知らなくて当然である。
その存在を知ったのは1年後、セガサターンの雑誌において、エヴァのゲームが特集された時であった。放映中にすでに初代が発売されていたので、タイミング的にはセカンドインプレッションの記事だっただろう。しかし、全てが初耳かつ意味不明だった私は、ほとんどまともに記事は読んではいなかった。それから3ヵ月後、当時土日の深夜に放映していたワイドショー的な情報番組にて「シト新生」の劇場公開が特集されており、そこで初めてまともにエヴァンゲリオンという作品を知ったのだった。鑑賞後にファンたちが熱く議論を交わしている事に、驚いたというよりも唖然として見ていたのを覚えている。
そして、7月のいわゆる旧劇公開である。それに合わせて、テレ東が深夜でテレビシリーズを一挙放映し、別に嫌いでもなかった私はようやく見る機会を得たのであるが、あいにく前半の6話には間に合わず、7話から見る事となった。しかし、この7話というのは全体の流れにあまり関係ない話であり、ここからだとエヴァの物語、そしてシンジやレイたちの全体像が全くつかめないのだ。後に、ビデオにて前半を見る事となったが、それに間に合っていればもう少し話にハマる事が出来たとは思う。
それで7話以降の全話も視聴完了し、いわくつきのラスト2話も見ることが出来たが、確かにこんなオチでは視聴者は納得いかなかったのは理解した。そしてもちろん旧劇も公開中であったのだが、あまり劇場には行く気が起こらず、いずれビデオで見ようと思っていた。しかし、その前にフィルムコミックという形で出版され、それで旧劇ラストを見ることとなったのだが、あまりにもグロテスクな内容に、読んでいて気分が悪くなってしまったものだった。
それから、テレビ版のラストとカップリングするように、劇場版もビデオで発売され、すぐにレンタルして鑑賞した。さすがに映像だと、グロい部分も展開が早いので、気分が悪くなる事もなかったのだが、正直これは当時よくあった漫画の謎本でも読まない限り、ほとんどの人にとっては意味不明ではなかったのかと思う。同時期には漫画も同時進行で発売されていたが、こちらは途中で面倒になって読むのをやめてしまった。話によればアニメとは異なる結末だったらしいが、大分前の事なのでどこまで読んだのかすらも覚えていない。
正直、めちゃめちゃハマったほどでもなかったものの、それでもエヴァの話題についていける程度には何度か繰り返して見ていた。DVDは、最初はLD版を元としたディスクが販売されていたが、後に新パッケージでも発売された。しかし、相変わらず日本のDVDは高かったので、2006年に米国アマゾンでボックスが50ドル程度で売られているのを発見して購入した。もちろんリージョン1であるが、マルチリージョン機所有の私は問題なく再生できた。クレジットのみが英語であるが、基本的にはテレビ版そのままだ。もちろん英語音声入りであるが、キャラクターとなかなかイメージが合っており違和感は少なかった。
そして、2007年の新劇である。すでにネット時代となったことにより、こちらは大きく話題となったものだった。