III、初代とくれば残りはシナリオ3の移植となったIIである。こちらに関しても、ファミマガの付録ですでに善悪のフロアに分かれている、という事は知っていた。しかし、フロアは6と少ないものの、明らかに初代に比べると難易度の高い迷宮と謎解きに、正直これはファミコンユーザーには難しすぎるのでは、と購入前から思っていた。そのため、あまり乗り気ではなかったのが正直な所であったのだが、さすがにプレイしない訳にもいかなかったので、すでに安くなっていた新品を町田かどこかで購入したかと思う。
もちろん、ターボファイルで初代から転送した。しかし、こちらは転送時に、子孫と言う事で性格が選択出来るのであるが、自分の名前をつけている侍を善としてしまった。このゲームで円滑に進めるためには、僧侶のみ善か悪に設定し、あとは中立で行くのがベストなので、もう一人前衛を新たに作らなければならなくなった訳だ。ただ、なんとなく中立よりも善の方が良かったので、意図的な面もあったのだけれども、クリアだけを考えるのであれば不要である事も確かだ。
ファミコン版では、PC版のような単語入力の謎解きは全てカットされ、代わりにアイテム交換でイベントをクリアしていく方法に変更された。まあ、中にはタロットカードの知識がないと回答不可能な意地の悪い問題もあるので、これは当然であるのだが、それ以外は初代に比べるとかなりオリジナルに近い出来となっている。初代は、装備にマッキントッシュ版の名前が使用されているが、このIIに関しては全てロングソード+2のようにオリジナルのままとなっている。ただ、逆にオリジナルには存在しなかった、いわゆる三種の神器も追加されているのだが、正直IIのモンスターは弱く、経験値も少ないためにやり込み要素も少ないため、別になくても良かったとは思う。そしてその追加分とのバランスをとるため、金の斧と言ったダミーアイテムも用意された。攻略本でも触れられていないので、事情を知るまでは謎のアイテムだったものだ。
さて、こちらも初代のようにマップ頼りであったのだが、さすがにル・ケブレスを抜けた後のマップはどの攻略本でも空白となっていた。しかも、最初に抜けた時にはマロールも覚えていなかった気がするので、自力で宝珠を見つけて抜けなければならなかったのだ。幸い、玄室のモンスターは少なく、ほぼ固定モンスターのゼノしか存在しなかったと思うので、奇跡的に本物の宝珠を見つけて凱旋する事が出来た。迷宮の作り自体はさほど複雑でもなかったので、ここで自身で初めてマッピングを行った。確かウィザードリィのすべてに鉛筆でマッピングした記憶があるのだが、実際にやってみると思ったよりも面白く、自分の手でマップが埋まっていくのはひとつの快感だった。
それからは、前作と同じようにアイテム探しとレベル上げに費やしていったが、前述のようにIIは経験値が低く、またこれと言って強いモンスターもおらずレベル上げの必然性も低かったので、レベル40を超えたぐらいでやめてしまい、その後は初代とIIIのみをプレイしていった。
IIIは経験値稼ぎせずとも、力のコインの裏技でいくらでもレベルを上げる事が出来るので、一人のキャラクターがレベル1000を超えるぐらいまであげていった。しかし、その時に示された次レベルへの経験値が異常な数値を示したので、ここで面倒になってやめてしまった。また、IIIの最下層はほぼPC版忠実であるが、こちらも攻略本では空白だったので、自力でマッピングを完成させたものだった。また、勲章を持ったキャラクターは、オリジナルのモンスターであるデーモンロードへの道が開けるが、その時点で物凄くレベルを上げていたため、一人でも簡単に撃破出来たものだった。
ここで、ファミコン版の歴史は終わりとなった。ウィザードリィIVに至っては、PC版の紹介すら皆無であったために、ファミコンユーザーには長らく謎の存在だった。The Return of Werdnaという原題から、またワードナが最終ボスなのか、と思ったものだったが、ウィザードリィマガジンなどにより、プレイヤー自らがワードナとなって、人間に復讐する、というシナリオという事を知った時には驚いたものだった。しかし、解説を読む限り、異常な難易度という事も理解出来たので、今後も家庭用には移植されないなと思っていたものだから、PCE版は別としても、まさかその完璧移植版とアレンジ版が、発売から10年以上経って移植されるとは夢にも思わなかったものだった。