ファミコン版ウィザードリィについて語る・その1 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

オリジナルのドラゴンクエストのスタッフの多くがAppleIIにおいてのウィザードリィのファンだった事もあって、その名前自体はファミコンユーザーにも知られつつがあったのだが、如何せんプレイ環境がPCのみと言うのは敷居が高すぎ、実際にこれらでプレイ出来たユーザーは皆無であったかと思う。

 

それがようやく手が届くようになったのは、もちろん1987年12月にアスキーより発売された、初代ファミコン版ウィザードリィである。現在に繋がる「狂王の試練場」と言う邦題や、アイテムやモンスター名の日本語の正式名称も、おそらくはファミコン版が全ての起点になっていると思われる。そういう意味でも記念碑的な作品であり、普及率の高さからも最も多くのセールスを記録した作品のひとつではないか、と思われるが、それでもウィザードリィをプレイしている、と言う連中は多くはなかった。

 

理由としてはまず2ヵ月後に超大作のドラゴンクエストIIIが控えていた事、そして3Dダンジョンと言う難解性などが挙げられたかと思う。前者はともかく、後者に関してはすでにファミコンにおいてはディープダンジョンの2作が発売されていたので目新しさはなかったのであるが、出来があまりよろしくなかった事もあって、3Dダンジョンに対するネガティブなイメージがあったのが事実。もちろん、ファミコンユーザー向けに難易度は落とされてはいたものの、パッケージ裏に「13歳以上の人に特におすすめします」みたいな文章があったのも確かなので、少なくとも小学生向きでなかったのは間違いはない。

 

そういう私も、ファミマガの記事などを興味深く読んではいたものの、さすがに買おうとまではならなかった。さすがにファミコン通信や、ウィザードリィ友の会が存在していたファミコン必勝本などはかなりプッシュしていたとは思われるが、ファミマガは低年齢層なだけあって、そこまで大きい扱いはなかったのも大きかった。と言う訳で、しばらくウィザードリィとは縁がなかったのであるが、年齢を重ねるうちに「コマンド式RPGの元祖」と言う認識であったウィザードリィには段々プレイしたい欲望が生まれてきたのも確か。そして、1990年のある日、発売から半年以上経ったファミコン版ウィザードリィIIIを遂に購入した。

 

つまり、私が最初にプレイしたウィザードリィは初代ではなかったのである。いくらレベル1からプレイ出来るようになっているとは言え、経験値やアイテムがインフレ気味なシナリオ2から、と言うのは今思えばどうかな?と言う感じではあったのだが、それでもかなり楽しめた。最初はキャラクター作りのノウハウもわからず、プリーストを除けばほとんど中立で作成した。ファンならご存じのように、中立だと職業や装備にかなりの制限があるので、善悪で作成するのが基本なのだが、当時はそんな事もつゆ知らずであったため、仕方がなかった。ただ、シナリオ2に関しては力のコインで職業が選び放題、しかも自分はベストプレープロ野球の時点でターボファイルを購入していたので、いくらでもやり直しが出来た分なおさらフリーダムだった。しかも、ファミコン版はビショップ以外でもMPオール9が可能だったので、いくらでもスーパーキャラ作り放題であり、そのあたりも楽しめた要因だった。

 

それでシステムに慣れていくと、やはり初代も欲しくなる。しかし、中毒性が高くファンが手放さない初代ウィザードリィはなかなか中古市場では見つける事がなく、当時も入手困難気味ではあったのだが、奇跡的にも海老名のダイクマで新品を購入できた。もちろん、魔法使いや盗賊以外はほとんど善で作成し、III以上にウィザードリィの世界にどっぷりはまっていったのである。